医療問題

眼瞼下垂症とコンタクト

 眼瞼下垂症はコンタクトレンズと関係があります。コンタクトは眼球の上に薄いレンズを置いて視力を調節する医療機器です。ご存知のようにコンタクトにはハードとソフトの2種類があります。ハードの方が厚みがあります。
 腕時計を思い出してください。パネライやロレックスのような厚い時計をしてセーターを着ると時計の部分が盛り上がります。薄型の腕時計でしたらあまり気になりませんが、時計が厚ければ厚いほど盛り上がります。
 同じセーターを着続けたとします。時計が当たった部分のセーターの袖は薄くなりますね。しまいには時計の部分に穴があいてしまいます。
 目も同じです。私たちの瞼は一日に何回もなんかいもまばたきをします。目の上を瞼が往復します。その時、眼球の上にコンタクトがのっかっていると、その部分はちょうど厚い腕時計をしてセーターを着たのと同じになります。長袖のシャツでも同じです。
 気に入ったシャツを長く着ていると一番先に傷むのが袖ですね。時計が当たっていると早く傷みます。瞼を開ける筋肉はとても薄いのです。その膜のように薄い筋肉がハードコンタクトやソフトコンタクトで傷みます。
 実際にコンタクトレンズで眼瞼下垂症になった方を手術すると、ちょうど穴のあいたセーターのように筋肉が薄くなっています。その穴を繕う(ツクロウ)ように手術で筋肉を治します。何度もできる手術ではありません。
 コンタクトレンズは眼科の先生の指示ではじめて装着できます。眼科の先生かどうかもわからないアルバイトの先生に適当に診てもらってコンタクトを買うのは危険です。カラコンをディスカウントストアーで買って診察も受けないで使うのはもっと危険です。カラコンは医療機器ではないので、規制もなく何の保障もありません。通販で購入したカラコンでひどい炎症をおこしていた人もいました。
 便利でおしゃれなコンタクトも使い方を間違えると取り返しがつかないことになります。目は大切なたいせつな器官です。年をとっても目が見えるように、自分で目を守ってください。

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