医学講座

皮膚腫瘍の手術

 日本形成外科学会認定施設は、毎年一回年次報告という報告書を提出しなければなりません。
 手術件数や学会発表の数。指導体制の変更の有無などを学会に報告し審査を受け認定施設の更新をします。
 最近は学会発表や学術論文発表を行っていないと認定施設が取り消されたり、教育関連施設という1ランク下の施設に格下げされたりします。
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 認定施設になるためには規定の手術件数が必要です。
(1)新鮮熱傷(ヤケド)
(2)顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷(顔のケガ)
(3)唇裂・口蓋裂
(4)手,足の先天異常,外傷
(5)その他の先天異常(耳がないなど)
(6)母斑,血管腫,良性腫瘍(アザや皮膚のできもの)
(7)悪性腫瘍およびそれに関連する再建
  (ガンやガンの再建手術)
(8)瘢痕,瘢痕拘縮,ケロイド(キズのひきつれなど)
(9)褥瘡,難治性潰瘍(いわゆる床ずれ)
(10)美容外科
(11)その他。
(カッコ)内は私の注釈です。
これらの項目の手術が必要です。
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 このうち圧倒的に数が多いのが、皮膚良性腫瘍の手術です。
 一般の方は皮膚にデキモノができると皮膚科に行かれます。小さくて簡単に取れる腫瘍でしたら皮膚科でも十分に対応できます。皮膚科医にも上手な先生がいらっしゃいますし、形成外科で修行を積んだ先生もいらっしゃいます。
 最初から形成外科にかかる方はマレです。形成外科医や形成外科学会の宣伝が足りないのかも知れません。
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 料金は皮膚科で取っても形成外科で取っても同じです。形成外科で取ると高いイメージがありますが、自由診療の美容外科以外は料金は同じです。
 形成外科で取ろうと思っても、形成外科は皮膚科ほど数が多くありません。形成外科がない医学部や医科大学があるくらいです。皮膚のデキモノですから、皮膚科や外科で取っていただいて構いません。
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 私たち形成外科医は、他科より少しでもキレイにキズを少なく取るように努力します。
 形成外科医が縫ってもキズは残ります。私たちは残るキズを少しでも目立たなくする努力をします。
 抜糸した後も、最低一ヵ月、部位によっては3ヵ月もテープでキズを保護します。
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 形成外科に入った研修医は、先輩から皮膚良性腫瘍の手術を教わります。最初にする手術はたいてい皮膚良性腫瘍の手術です。
 他科の先生が手術するよりキレイでなければダメなので、研修医がする時には必ず指導医がつきます。
 皮膚のデキモノを手術する時は、ぜひ形成外科にご相談なさってください。同じ料金でよりキレイに治すよう努力しています。

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