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シオゾールと光治療

 日本美容外科学会で湘南鎌倉総合病院の山下理絵先生が、とても興味深い注意を喚起してくださいました。
 山下先生は日本美容抗加齢医学会会長で、レーザーや光治療による、若返り治療がご専門です。
 今回の学会でも、IPLやレーザーを用いた皮膚の若返りについて座長やコメンテーターをなさいました。
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 シオゾールという薬があります。主成分は金チオリンゴ酸ナトリウム、塩野義製薬㈱で作られた、リウマチの薬です。
 この薬の特徴は成分に金(ゴールド)を含むことです。
 金製剤は、もともと抗結核薬として使われてきましたが、その過程でリウマチに対する治療効果が認められました。
 シオゾールは注射薬で、投与を続けると、体内に金がたまっていき、おしっこによって排泄されます。
 1970年に販売を開始した古くからある薬です。患者さんの中には、投与を受けたことを忘れてしまっている方もいると思います。
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 この金(キン)の注射を受けたリウマチ患者さんが、光治療を受けて、皮膚に残っていた微量の金が光に反応して、通常では起こらない反応が出ました。
 山下先生が出された症例の女性は、光治療を受けた顔が青く変色していました。
 治療をする側も、された側も、まさかこんな反応が起こるとは夢にも思わなかったと思います。
 シオゾールの添付文書を読んでも、投与後に光治療を受けると、皮膚が変色するとは書いていません。
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 山下先生の別の症例では、金の糸による治療を受けていて、治療を受けたことを話さないで、光治療を受け、副作用が出た方がいらっしゃいました。
 他のクリニックで受けた治療内容を、正直に申告してくださらない方もいらっしゃいます。
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 メスを使わない治療は、ともすれば‘安全’‘副作用がない’と考えられがちです。
 レーザー機器のメーカーも製薬メーカーもこのような副作用については承知していないと思います。
 もちろん厚生労働省からは何の通達も出ていません。そもそも、レーザー機器の大部分は厚労省から認可されていないので、国はどんな治療機器が使われているかも知らないと思います。
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 金の糸や金の注射を受けた方は、くれぐれも安易に光治療を受けないでください。。
 巷では、レーザー治療だ、IPLだ、光治療だと、エステですら‘治療’がおこなわれています。
 私は重篤な副作用が問題になる前に、厚生労働省がもっとしっかり指導すべきだと思います。

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