医学講座
こどもの日
今日はこどもの日です。
わが家には、
もう、こどもと呼べるような、小さな子はいません。
こどもは交通機関の料金体系を見ても、
せいぜい小学生まででしょう。
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こどもの定義は、はっきりしていません。
小児科は従来は中学生までを診療していました。
高校生になると、小児科は卒業でした。
現在、日本小児科学会ではHPに次のように書いています。
■■小児科医は子ども達が成人するまで見守ります ■■
日本小児科学会では、小児科が診療する対象年齢を、
現在の「中学生まで」から「成人するまで」に引き上げること、
そして、その運動を全国的に展開することを、
平成18年4月に決定しました。
これまで小児科に通院していた15~20歳の方はもちろん、
これまで小児科に通院していなかった15~20歳の方も、
どうぞ、気軽に小児科医に御相談下さい。
小児科医は、積極的に診察して参ります。
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私たち形成外科医も、こどもの病気を治療します。
今は入院施設がないので、小児の手術はしていません。
私が総合病院や大学病院の形成外科医だった時は、
唇顎口蓋裂などの手術をよくしていました。
生まれつき口唇が割れている唇裂の手術は、
私が得意とする分野でした。
口唇を治すだけではなく、鼻の形を整えたり、
矯正歯科の先生と歯並びのために骨を移植したりしました。
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今でも、昔、手術をさせていただいた方をたまに診察しています。
もう、すっかり大きくなっていて、
こどもとは言っては失礼な年齢になっています。
それでも、赤ちゃんの時から診ている
○○くん、
○○ちゃん、
は自分の子供のように可愛いものです。
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私自身も市立札幌病院に勤務していた時に、
小児科を受診しました。
おたふくかぜ(正式には流行性耳下腺炎)が流行しました。
私は、おたふくかぜに罹った記憶があいまいでした。
小児科の先生に相談したところ、
ワクチンを接種した方がよいと言われました。
ワクチンは小児科にしかなく、自費だったので、
小児科のカルテをつくり、
小児科でワクチンを注射してもらいました。
■ ■
市立札幌病院では、小児科学会の決定以前から、
中学生以上の方も小児科で治療していました。
小児糖尿病や喘息など、
高校生になったからといって、
すぐに小児科を卒業できない病気もあります。
私は、こどもの時から診てくださった先生が
‘大人’になってからも診察してくれるのはよいことだと思います。
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元気なこどもさんばかりではありません。
病気で苦しんでいるこどももたくさんいます。
中には、こどもなのに亡くなってしまう、
とても可哀想な病気もあります。
立派な先生の子どもさんも、ガンで亡くなってしまいました。
こどもも親もかわいそうです。
医療者にできることには限りがあります。
医学も万能ではありません。
医学が進歩して、
不幸な病気が一日も早く根絶されることを願っています。