医学講座

札幌東徳洲会病院外傷センター

 昨夜、札幌パークホテルで、
 第5回北海道臨床創傷治癒研究会がありました。
 昨年は、時計台記念病院
 循環器センター長の浦澤一史先生の特別講演がありました。
 浦澤先生の講演は、
 血管に細いカテーテルという管を刺して、
 詰まった血管開通させるという技術でした。
 この日記でご紹介したのが、ご縁で、
 浦澤先生に治療を受けて快くなった方がいらっしゃいました。
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 昨日の特別講演は、
 札幌東徳洲会病院
 外傷センター、センター長の
 土田芳彦先生でした。
 土田先生は、北大医学部をご卒業後、
 東京で麻酔科研修。
 その後、札幌医大整形外科へ入局され、
 薄井正道先生の下で、
 マイクロサージャリーのスペシャリストになられました。
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 札幌医科大学高度救急救命センターで
 講師としてご活躍。
 重症の四肢外傷を、
 神業のような手術で再建されていました。
 その手術の腕は、まさにブラックジャック以上。
 通常でしたら、切断になる腕や下肢を、
 見事につなげて、
 社会復帰させていらっしゃいます。
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 指を切断したら…
 再接着という手術でつなげます。
 この程度の知識は、一般的になっています。
 つなげるのは容易ではありません。
 細い血管や神経を手術用顕微鏡で縫い合わせます。
 使う糸は髪の毛よりも細く、
 目の良い人が肉眼でようやく見える程度です。
 北海道で一番最初に、
 指の再接着に成功したのが、
 当時、北大整形外科にいらした薄井正道先生でした。
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 土田先生の得意技は、
 ダンプに轢かれた…
 機械に腕を巻き込まれた…
 交通事故で足がグチャグチャになった…
 などなど、
 専門医ですら、
 これ…
 どうしましょう???
 というような重度の外傷を治す技術です。
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 そのような、重症の患者さんは、
 たいてい頭部外傷や肺損傷という、
 生命にかかわる、合併症を持っています。
 頭部や肺の状態が悪いため、
 手術をためらっているうちに、
 下肢の治療が遅れることがあります。
 逆に、頭部の状態が悪いのに無理に手術をして、
 骨折は治ったのに、脳死になることもあります。
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 患者さんの意識がない中で、
 同意書も取れない状態で
 緊急手術をする必要があることも
 マレではありません。
 昨日の講演の最初は、
 『やってはいけない治療』という内容でした。
 われわれ医療者に衝撃的な内容でした。
 是非、医学生に聴いて欲しい内容でした。
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 その次が、土田先生の手術症例でした。
 私の印象に残ったのが、
 機械に腕を巻き込まれて、
 肘から先が、グチャグチャになってしまった女性でした。
 機械から腕を抜き取れなかったので、
 なんと機械ごと救急車で搬送されてきました。
 病院で機械を壊して、
 腕を引き抜くと、筋肉もグチャグチャ。
 腕は完全に取れていました。。。
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 普通でしたら、どう考えても切断です。
 本人の意識はあるものの、
 完璧なパニック状態。
 とにかくつないでみます…!
 土田先生のブラックジャック以上の腕で
 腕はつながりました。
 問題は、その後です。
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 指の再接着でしたら、
 多少曲がりが悪いことがあっても、
 まず、機能が問題になることはありません。
 腕は大変です。
 動かない手、
 動かない腕、
 があると、
 義肢より使い勝手が悪いことがあります。
 感覚が悪いと、ヤケドやケガをすることもあります。
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 土田先生が手術をされたその女性は、
 懸命にリハビリをして、
 『先生、今日はこんなことができました』
 『先生、お鍋が持てるようになりました』
 と先生を逆に励ましてくれたそうです。
 土田先生は、ここが男性と女性の違うところ…
 とおっしゃっていました。
 私も同感です。
 女性は、辛抱強くリハビリを続けられました。
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 重症の交通外傷、
 労働災害、
 などの不慮の事故で、
 腕や足がもげたら…
 救急病院で切断と言われたら…
 四肢再建スペシャリストの、
 土田芳彦先生を思い出してください。
 札幌東徳洲会病院外傷センター
 011-722-1110です。
 腕のよい、優しい先生です。

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