医学講座

日本美容外科学会(広島)③

 今年の日本美容外科学会は、
 広島の宮本義洋先生が会長でした。
 宮本先生は、
 広島で医療法人宮本形成外科を、
 ご開業なさっていらっしゃいます。
 奥様も形成外科専門医です。
 私より10歳も上の大先輩です。
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 広島大学医学部助教授(皮膚科)を歴任され、
 現在は、
 岡山大学医学部医学科形成再建外科の
 臨床教授をなさっていらっしゃいます。
 毎年、
 学会にご夫妻で参加なさいます。
 学会発表も活発にされている先生です。
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 毎年の学会には、学会長のカラーが出ます。
 今年の学会のテーマは、
 『安全で効果がある』でした。
 5つのシンポジウムのうち、
 4つのシンポジウムのテーマに
 『安全で効果ある美容外科治療を求めて』
 という題名がついていました。
 シンポジュウム1
 安全で効果ある美容外科治療を求めて:
 眼瞼形成術の長期結果と合併症
 シンポジュウム3
 安全で効果ある美容外科治療を求めて:
 フラクショナルレーザーの適応と効果
 シンポジュウム4
 安全で効果ある美容外科治療を求めて:
 レーザー治療の効果と合併症
 シンポジュウム5
 安全で効果ある美容外科治療を求めて:
 ノンサージカル治療(フィラー、Botox、自家脂肪注入など)
 の効果と合併症
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 確かに、どこの美容外科のHPを見ても、
 この手術でこんなにキレイになりますょ!
 とは、書いてありますが、
 こんな副作用がありますょ!
 とか、
 失敗したらこんなになっちゃいますょ!
 とは書いてありません。
 学会発表も、
 私はこの手術をしてこんな失敗をしました…
 なんてのはありません。
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 今回の学会で印象に残った発表は、
 大阪大学美容外科の
 矢野先生と高田先生のご発表でした。
 阪大は白い巨塔のモデルといわれる大学病院です。
 ここに美容外科講座があります。
 残念なことに、
 阪大に美容外科があることは‘宣伝’できず、
 患者さんの数は一年間で28人だったそうです。
 大手美容外科でしたら、
 半日で28人くらいになりそうです。
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 また、せっかく阪大病院に美容外科がありながら…
 保険診療しかできないために、
 自由診療で手術が必要な患者さんは、
 阪大以外のクリニックで手術をしているそうです。
 阪大で手術をしたのは、
 美容外科で受けた‘治療’によって、
 重篤な後遺症や合併症が残ってしまった方でした。
 阪大では、
 この後遺障害の‘手術’を保険診療で行っています。
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 阪大の矢野教授は、
 『患者の利益よりも、
 自分の利益を優先する、
 医師の根本的行動原理に問題がある。』
 と指摘なさっていらっしゃいました。
 また、
 何かが起こっても、
 それに対処ができる、
 基礎的な知識や技術の欠如した医師
 が問題であると話されました。
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 ヒアルロン酸の注入を、
 ‘安全だと思って’受けた結果として、
 大学病院で手術をしなければならなかった、
 お気の毒な方が学会で発表されていました。
 私が手術や治療をしても、
 副作用や後遺障害が
 ゼロということはありません。
 問題なのは、
 何かが起こった時に対処できる
 知識と技術力です。
 医師は何歳になっても勉強が必要だと感じました。
 宮本先生ありがとうございました。

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