昔の記憶

ピアノの発表会

 『先生、今度、市民文化会館で』
 『娘のピアノ発表会があるんです。』
 『よかったら、いらしてください。』
 とピアノ発表会のチケットをいただきました。
 もう20年以上も前のことです。
 そのお嬢さんは、
 生まれつき手が不自由でした。
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 手の先天異常は…
 山形大学整形外科の荻野利彦教授がご専門です。
 形成外科でも…
 生まれつき、
 指が多い多指症(たししょう)とか
 指と指がくっついている合指症(ごうししょう)の
 手術をしています。
 そのお嬢さんは、
 北大形成外科で手術をした方でした。
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 私が釧路労災病院形成外科へ勤務していた時、
 外来で経過を診ていました。
 指の異常があっても、
 ピアノは弾けます。
 障害の程度は人によってさまざまですが、
 練習を重ねると、
 ピアノも弾けるし、
 パソコンのキーボードも打てます。
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 土曜日の夜だったので、
 釧路労災病院から、
 歩いて釧路市民文化会館へ行きました。
 幼稚園か小学生だった、
 そのお嬢さんは、
 とても上手にピアノを弾いて、
 終わった後で、
 ちょっと恥ずかしそうにしていました。
 会場から大きな拍手がありました。
 もちろん手に障害があることはわかりませんでした。
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 お母さんは、
 手が不自由だったので、
 少しでもリハビリになれば…
 と思ってピアノを習わせたと、
 お話しくださいました。
 そのお嬢さんも、
 今は成人して、
 立派になられていることと思います。
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 小さい時に病気をしたので、
 看護師さんになったお嬢さんもいらっしゃいます。
 自分に障害があることで、
 他人の痛みが、
 健常者よりよくわかることもあります。
 父親の目が見えなかったので、
 眼科医になった先生もいます。
 ふつうの人よりも…
 よく理解できることもあると思います。
 病気に負けず頑張ってください♪

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