医学講座

副耳(ふくじ)

 赤ちゃんの耳の前に、
 小さな突起がついていることがあります。
 これを副耳(ふくじ)といいます。
 日本形成外科学会
 日本小児外科学会
 のHPにも記載があります。
 左右両側にある人、
 片側だけの人、
 ホッペにもある人、
 大きさもさまざまです。
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 原因ははっきりしません。
 お母さんのお腹の中で、
 赤ちゃんの耳ができる時に、
 何らかの異常でできた突起です。
 お母さんに責任はありません
 日本小児外科学会HPによれば、
 出生1000人中15人程度にみられ、
 形成外科医にとっては、
 珍しい疾患ではありません。
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 珍しい病気ではないといわれても…
 待望の赤ちゃんに、
 余計なものがついているとショックです。
 地下鉄やJRなど、
 公共交通機関で、
 他人の耳を見てください。
 気にしなければ見つけられませんが、
 よ~く見ると…
 一日に一人は必ず見つけられます。
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 小さくて気づかないこともありますが、
 私でしたら見つけられます。
 それほど頻度が多いものです。
 珍しくないと言われても…
 親としては気になります。
 できることなら早く取ってあげたいです。
 でも…手術は心配ですね。
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 昔は、
 お産婆さんが、
 赤ちゃんの副耳を、
 糸でしばって取ったという話しを
 聞いたことがあります。
 実際に小さい時に…
 しばって取ったのに、
 根っこが残ったという方を
 手術したこともあります。
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 日本形成外科学会HPにも、
 日本小児外科学会HPにも、
 このしばって取る
 結紮法(けっさつほう)
 が書かれています。
 私は形成外科医としては、
 この結紮法はおすすめできません。
 副耳には軟骨が入っていることが多く、
 軟骨はしばっても取れないからです。
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 形成外科医としては、
 きちんと麻酔をして、
 切り取る方法をおすすめします。
 問題は手術時期です。
 日本形成外科学会HPには、
 手術時期は
 全身麻酔を行う場合は
 麻酔の安全性が高まる1歳前後以降が良いでしょう。
 また耳珠などの軽度の変形などがある場合には
 同時に修正することもできます。
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 確かに私もこのように説明していた時期がありました。
 ところが、
 赤ちゃんは1歳を過ぎると活動的になります。
 可愛いですが、
 ちょっと目を離すと危ないことになります。
 お母さんからの免疫もなくなるので、
 病気をしたり、熱を出すようになります。
 育児休業も原則的には1歳までです。
 じいちゃん先生の私としては、
 自分の孫だったら、
 一歳前に手術をします。
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 赤ちゃんが…
 おっぱい飲んでねんねして…
 くれている時期に、
 副耳の手術をします。
 唇裂の手術は生後3ヶ月、
 体重6㎏で手術をします。
 この時期に手術をして、
 麻酔で問題となった患者さんはいませんでした。
 これより早い時期に、
 手術をすることはありませんが、
 小さいうちに手術をすると…
 キズはキレイに治ります。
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 副耳のような小さなものに、
 全身麻酔で手術なんてとんでもない!
 と言われる先生もいらっしゃると思います。
 手術をするしない、
 手術を局所麻酔でするか?
 全身麻酔でするか?
 リスクの問題もあります。
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 幼稚園に入園して、
 他の子に指摘されると…
 子どもは覚えています。
 私は何もわからないうちに
 治してあげたいと思います。
 申し訳ございませんが、
 札幌美容形成外科では、
 小児の全身麻酔は行っておりません。
 副耳の手術は札幌市内の病院をご紹介しています。

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