医学講座

埋没法<適応を選ぶ>

 埋没法はしない先生が…
 いらっしゃいます。
 とても腕の良い先生です。
 老舗で繁盛していらっしゃいます。
 どうして埋没法をなさらないのですか…?
 …と以前の学会で質問がありました。
 埋没法の糸で炎症を起こした人を…
 何人も治療したので、
 埋没法はしない。
 …と答えていらっしゃいました。
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 私が釧路労災病院に勤務していた頃です。
 若い頃に東京で…
 埋没法の手術を受けた女性が…
 形成外科へいらっしゃいました。
 数日前から…
 二重のラインが取れて…
 まぶたに炎症を起こしてきたので、
 治してほしいというご希望でした。
 立派なお仕事をしていらっしゃる、
 素敵な女性でした。
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 炎症を起こしていたまぶたから…
 透明な糸が出てきました。
 私はこの時にはじめて…
 埋没法の糸を見ました。
 糸を取ったら炎症は治りました。
 総合病院の形成外科医をしていても、
 埋没法で二重まぶたの手術はしません。
 埋没法は、
 美容外科で発達した技術です。
 日本が発祥の地です。
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 私がはじめて美容外科で、
 二重の手術を見せていただいたのが、
 札幌中央形成外科の武藤靖夫先生でした。
 まるで手品を見ているようでした。
 (武藤先生は手品の名人でした)
 大学病院や総合病院にしか
 勤務したことがない私は、
 武藤先生の患者さんに対する姿勢を拝見して、
 カルチャーショックを受けました。
 武藤靖夫先生の技術は、
 ご子息の英生先生へと引き継がれています。
 英生先生は優しい優秀な先生です。
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 私は埋没法も切開の手術もします。
 適応を選べば…
 埋没法は素晴らしい結果が得られる手術です。
 埋没法は糸で二重のクセをつけます。
 糸で皮膚を内側へ引っぱって、
 二重のラインを作ります。
 最初は糸が真皮(しんぴ)という、
 皮膚の下で引っぱっています。
 ラインがくっきり見える時期です。
 そのうちに、
 皮膚の下の眼輪筋(がんりんきん)という、
 筋肉の中に結び目が入ります。
 ちょうど落ち着いてラインが安定する頃です。
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 糸の周囲には瘢痕(はんこん)という、
 線維性の被膜(ひまく)ができます。
 この瘢痕(はんこん)でできた被膜(ひまく)が
 糸の代わりに皮膚を引っぱるようになります。
 瘢痕(はんこん)は自分自身の組織ですから、
 糸のように切れたり溶けたりしません。
 ですから、埋没法で手術をしても、
 生まれつきの二重と同じ構造が、
 半永久的にできるのです。
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 一口に埋没法と言っても…
 方法はクリニックによって違います。
 チェーン店でよく行われる、
 瞼板法(けんばんほう)と、
 挙筋法(きょきんほう)に大別されます。
 難易度は挙筋法の方が上です。
 一番大切なのは、
 その人の目に合った手術を選ぶことです。
 埋没法が取れたら
 切開の手術でしっかり治せることです。
 埋没法で幸せな人生を歩んだ女性は…
 たくさんいらっしゃいます。

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