医学講座

「まつエク」トラブル急増

 平成26年6月20日、朝日新聞朝刊の記事です。
 まつエク手軽さの陰で_まつ毛に人工毛接着、目ヂカラアップ
 まつ毛に人工毛を接着する「まつ毛エクステンション(まつエク)」の愛用者が急増している。目ヂカラがつき、メーク時間も短縮されると人気の一方で、技術不足の施術者によるトラブルも絶えない。警察による無免許店の摘発も増えている。拡大する業界は、安全面の整備に乗り出した。
 東京都内の女性会社員(29)は昨春、忙しい職場に異動したのを機にまつエクを始めた。両目に計150本。逆さまつ毛が嫌で、アイメークは1時間はかかる「毎朝の大仕事」だった。まつ毛を柔らかくして、ビューラーにマスカラ――。それが今ではメーク全体で5分足らず。温泉に行くのも苦ではなくなった。
 「コンプレックスをフワッと消してくれた。他人は気づかない程度のことでも、自分の気持ちは楽になった」
 「メークが楽で、時間短縮になる」と話す美容専門誌「VoCE(ヴォーチェ)」の湯川円副編集長(41)も愛用者の一人。湯川さんによると、まつエクは約10年前から広まり、3年ほど前からは爆発的なブームに。「つけまつ毛よりお手軽でナチュラル。ファッションもナチュラル志向のいまどきの女性にうけている」
 都内に6店舗を展開するまつエク専門店「ヴィーナス・ラッシュ」は、5年前に比べ4店増え、売り上げは1.5倍に急成長。利用者の年齢層は10~70代と幅広く、「目力を強くしたい」と来る営業職の男性もいるという。
かぶれや視力低下無免許で施術 トラブル急増
 ブームの陰で、トラブルも急増している。
 都内の20代の女性会社員は2年前にまつエクを始めた。結膜炎だったが、「安いお店に行かなければ大丈夫かな」。1ヵ月もたたずに目元がかゆくなり、眼科にいくと、粘膜近くに人工毛がつけられ炎症を起こしていると診断された。今はマスカラさえ異物感を感じ、アイメークはしていない。
 国民生活センターによると、まつエクに関する相談は2009年度以降毎年100件前後。2004年度以降、2014年6月19日までの652件の内容は、充血やアレルギーなど(396件)▽かぶれなど(179件)▽視力低下など(28件)と続く。
 梶田眼科(東京都港区)の梶田雅義院長によると、まつエクのトラブルで来院する患者の多くは接着剤へのアレルギーという。約1ヵ月間まぶたが腫れ続けた例や、ピンセットで角膜を傷つけていた例もあった。「角膜が白く濁り、視力が低下する可能性もある」
 厚生労働省は2008年、施術には美容師免許が必要だと各都道府県などに通知。警察庁によると2013年までの4年間に美容師法違反(無免許営業など)の疑いで45人が逮捕や書類送検されている。先月28日にも従業員に無免許で施術をさせていたとして、名古屋市のエステ店経営会社社長の女(40)ら4人が同容疑で逮捕された。
美容師免許技術とは別
 美容師免許を持っていても、まつエクの技術が高いとは限らない。
 美容師免許は、美容学校など全国270カ所の国指定の養成施設で2~3年以上学ぶ必要があるが、まつエクについては2012年から必修科目の教科書に2ページ記載され、現在は5ページ。実践的な技術は選択科目のため、まつエクの技術がなくても美容師にはなれる。
 公益社団法人日本理容美容教育センターは、今年4月にまつエクの教科書(約100ページ)をつくり、約半数の養成施設に送ったばかりだ。厚労省生活衛生課の担当者は「これまでよりも安心して施術を受けられる状態になりつつある」というが、人工毛や接着剤の材質に関する基準もない。
 同省によると、美容師免許を持ち働いている人は約48万人(2012年度)だが、まつエク従事者数は不明。業界団体、日本まつ毛エクステンション協会が約1万5千人と推測するのみだ。
 同協会の佐藤慶子専務理事は、「簡単に出店できる分、安全への認識も技術も不足していた。業界は今過渡期。そうした店が淘汰(とうた)されることは利用者にとってもいいことだと思う」と話す。(小寺陽一郎、牛尾梓)
 (以上、朝日新聞より引用)
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 私は職業柄よく女性の目を診ます。
 はっきり申し上げて…
 まつエクはおすすめしません
 いたんだまつ毛をよく見ます。
 まつ毛の抜け毛で、
 まつエク効果台無しの人もいらっしゃいます。
 技術力の差もあります。
 どうしても必要でしたら…
 お店をよく選んでいただきたいです。

20140620
(朝日新聞より引用)

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