医学講座

きずはぬらしても大丈夫です

 古くから、
 手術をした傷は消毒をする。
 傷をぬらしてはいけない。
 ばい菌が入って化膿する。
 …という考えがあります。
 滅菌や消毒という概念がなかった時代、
 手術後は感染との戦いでした。
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 昔は、
 手術用手袋というのがなく、
 手をブラシでごしごし洗って、
 手術をしたそうです。
 清潔と不潔
 消毒と滅菌
 …という2007年の院長日記に書いてあるので、
 興味がある方は読んでください。
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 医学が進歩した現在でも、
 感染は外科医の脅威です。
 レーシック手術でトラブルを起こした
 銀座眼科(現在は閉院)も、
 滅菌が不十分だったため
 感染を起こしたのが原因でした。
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 それじゃぁ~
 やっぱ、
 先生、きずわぁ~
 ぬらしたらだめなの?

 …という疑問があると思います。
 形成外科の先生が、
 ていねいに縫合したきずは、
 シャワーで洗ってぬらした程度では、
 感染することはまずありません。
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 きずがくっつくには時間がかかります。
 手術直後は腫れが出ます。
 赤くなって痛いです。
 炎症(えんしょう)のためです。
 でも…
 痛い時期が過ぎて、
 炎症もなければ、
 きずをぬらして洗っても大丈夫です。
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 手術創からは血が出ることもありますし、
 滲出液(しんしゅつえき)が出ることもあります。
 きずを治すための反応です。
 血液や滲出液を洗い流して、
 きれいにしてあげると、
 きずはきれいに治ります
 私は軟膏を塗っていただいています。
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 やってはいけないことは、
 きずをひっぱることです。
 くっついていないきずに、
 力をかけて引っ張ると、
 せっかくくっついた部位が離れてしまいます。
 洗う時はそっとやさしくです。
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 手術後のメイク
 手術後の付けまつ毛
 …という2011年5月の院長日記を読んでください。
 抜糸しても、
 キズは完全にくっついてません。
 完全にくっつくには…
 3~6ヵ月もかかります。
 その間に無理な力を加えると…
 キズが目立ちます。

 濡らしても構いませんが、
 そっと優しく洗ってください。

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