医療問題

副操縦士「勤務不可」の診断

 平成27年3月28日、朝日新聞朝刊の記事です。
 副操縦士勤務不可」の診断
 自宅から書類発見 独機墜落
 乗客乗員150人を乗せたドイツ格安航空会社ジャーマンウィングス機の墜落で、独検察当局は3月27日、家宅捜索したドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の自宅から、病気のため「勤務不可」を指示する医師の診断書などが見つかったと明らかにした。独メディアによると、副操縦士は精神疾患とみられる。当局は、本人が病気を会社に隠していた、と発表した。
 仏検察当局者は3月26日の会見で、副操縦士の殺人容疑も視野に捜査を進める考えを示していた。
 独検察当局は3月26日、副操縦士の自宅など関係先を家宅捜索。デュッセルドルフの検察当局は3月27日、捜索で本人の自宅から診断書が見つかり、墜落した日も「勤務不可」の期間に含まれていたと明かした。診断書は破られていたという。一方で遺書や、政治・宗教的な動機を示すものは見つからなかったという。
 ジャーマンウィングスの広報担当は3月27日、朝日新聞の取材に、副操縦士の「勤務不可」の診断書について「墜落した日が含まれたものは受け取っていない」と答えた。ジャーマンウィングスの親会社ルフトハンザ航空によると、同社は、訓練を経て操縦士を採用する際は「精神面の安定」をチェックしている。ただ、採用後は、操縦士の健康診断は定期的に行うものの、「精神面での定期検査は実施していない」という。
 3月27日付の独大衆紙ビルトは、副操縦士に「精神科の受診歴があった」と報道。「うつ病」と診断され、計1年半診察を受けていたという。ただ、2009年には「重度のうつ病は治まった」と診断されていたという。
 同紙は副操縦士が「失恋に苦しんでいた」との治安当局者の証言も紹介。当局が「個人的な理由」を前提に捜査していると報じた。(ベルリン=玉川透)
 (以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 この朝刊トップ記事を読んで考えたことです。
 診断書を書いた医師は、
 深く悩み悲しんでいるだろうと、
 同じ医師として思いました。
 日本で同じように、
 この人に操縦させるのは危険だと医師が考えても、
 医師の守秘義務で、
 それを本人以外に伝えることはできません。
      ■         ■
 私の法律解釈が間違っていたら、
 誰かに指摘していただきたいです。
 個人情報保護法が制定される以前から、
 医師には守秘義務が課せられています。
 日常診療で、
 危険を感じても、
 すぐに警察に通報はしません。
      ■         ■
 私の頭に浮かぶのは、
 虐待を受けた子どもさんを診察して、
 児童相談所に通報するくらいです。
 殺されそうになった人が、
 病院へ搬送される場合は、
 だいたい救急隊と警察が同時に来ます。
 警察が事情聴取をしてくれます。
      ■         ■
 人殺しをしそうな人が病院に来た場合、
 精神神経科の措置入院という制度は知っていますが、
 警察に通報は聞いたことがありません。
 旅客機の操縦士のように、
 多くの人命を預かる人が、
 航空機を故意に墜落させる恐れがあったら、
 医師の守秘義務はどうなるのか?
 関係機関によく検討していただき、
 二度とこのような悲劇が起こらないことを祈ります。
 犠牲者のご冥福をお祈りしています。

“副操縦士「勤務不可」の診断”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ