医学講座

金の糸とMRI検査

 昨日の院長日記、
 CTやMRIでわかる整形に、
 次のご質問を相談フォームからいただきました。
 院長日記読ませて頂きました。
 MRIやレントゲンですが、私は顔に金の糸が入っていますが大丈夫でしょうか?
 先生に伝えてから撮影してもらったほうがいいのでしょうか?
 お忙しい中すみません。よろしくお願いします。

 同じような不安をお持ちの方も多いと思いますので、
 今日の院長日記で取り上げます。
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 日本美容医療協会ホームページに記載があります
1.レントゲン写真、CTやMRIといった画像診断を受けられる方は、必ず医師と放射線技師に申告をして下さい。
2.埋入部のレントゲン写真、CTやMRIの写真には、金の糸が写ってしまうことがあります(写真参照)。但し、金の糸自体が画像診断の障害になることは稀のようです。
3.MRIは核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance, NMR)現象を利用して生体内の内部情報を画像化する方法で、撮影時には強力な磁気を発生します。従って特にMRIの撮影時には必ず申告をして下さい。体内に金属が埋入されている場合は、金属が移動したり熱を発生することもあり、時には撮影を拒否される場合も考えられます。これにより、悪性腫瘍の早期発見のチャンスを逃す可能性があります。

 …というのが日本美容医療協会の見解です。
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 私の結論は大丈夫です。
 本間説です。エビデンスはありません。
 本間説の根拠です。
 金は代表的な「反磁性体」(磁石にならない金属)と言われています。
 金の糸は細く、
 どこに何本入れたかわかりませんが、
 通常のMRI検査は大丈夫です。
 もし不安でしたら、
 【金+MRI】で検索なさるとわかります。
 CTやレントゲン検査も受けられます。
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 日本美容医療協会HPに書いてあるように、
 放射線科の先生に聞いても、
 脳神経外科の先生に聞いても、
 金の糸?
 何ですかそれ?
 顔に入れた?
 はぁ?
 …ってな感じになると思います。
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 僕じゃわからないから、
 形成外科に行って聞いてください。

 …と言われて形成外科に行ったとしても、
 ○○市民病院形成外科部長の先生ですら、
 金の糸?何ですか?
 何ミリくらいの糸を、
 何本入れたんですか?

 …と聞かれるくらいだと思います。
 ふつうの形成外科医は金の糸を見たことがありません。
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 私自身も、
 学会の展示会場で見ただけです。
 自分で患者さんに入れたことはありません。
 形成外科で使う金は、
 顔面神経麻痺の患者さんに、
 ゴールドプレートという、
 金の延べ板の極小版を、
 まぶたに入れる手術で使うくらいです。
 私も35年で一度しか見たことがありません。
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 私は金の糸をすすめているのではありません
 金の糸が不安で検査を受けずに悪性腫瘍の発見が遅れるより、
 しっかりとした先生に診てもらうことをすすめます。
 もし美容整形で入れた材料で不安になったら、
 放射線診断を専門としているクリニックのHPを見たり、
 歯科で使う材料について、
 ネットで検索してみることをおすすめします。
 【金の糸+MRI検査】でヒットした結果が不安だったら、
 【金歯+MRI検査】なら他の情報も必ずヒットします。
 MRIは磁力を使った検査なので、
 心臓ペースメーカーを装着した方などは受けられません。

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