医学講座

バラマイシン軟膏

 私が医師になった時、
 一番最初に教わったのが、
 このバラマイシン軟膏です。
 バシトラシン
 フラジオマイシン
 2つの抗菌剤が入った軟膏です。
 熱傷や創傷に、
 よく使っていました。
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 今でも使っています。
 やけどにつけると、
 痛くないです。
 この軟膏のいいところです。
 他の軟膏と比較して、
 刺激が少ないです
 患者さんにとって、
 痛くないのはありがたいです。
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 北大形成外科の先輩から
 新米医師の頃に
 本間先生、
 創に何を塗ったらよいかわからなかったら、
 まずバラマイを使え

 …と教えていただきました。
 教えてくださった先輩には、
 今でも感謝しています
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 皮膚科の先生がよくお使いになるのが、
 ゲンタシン軟膏です。
 ゲンタシン軟膏が入ったステロイド軟膏もあります。
 リンデロンVG軟膏などです。
 北大形成外科でも、
 ゲンタシン軟膏を使っていましたが、
 ある時期から使用を止めました
 耐性菌が増えたからです。
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 私は医師になってから、
 ず~っと
 日本熱傷学会に参加しています
 熱傷治療が勉強になるからです。
 熱傷治療は、
 この10年くらいの間に大きく変わりました。
 特に小児の熱傷治療が変わりました。
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 子どものやけどにフィブラストスプレー
 この治療法で劇的によくなる患者さんが増えました。
 残念なのは、
 フィブラストスプレーには、
 感染を防ぐ抗菌作用はありません
 感染を起こすと、
 熱傷が深くなることがあります。
 熱傷は感染との戦いです
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 北大形成外科では、
 バラマイシン軟膏を熱傷治療に使っていました。
 長期間同じ軟膏を使うと、
 どうしても耐性菌が増えます。
 バラマイシン軟膏を使っていても、
 常に耐性菌に気をつける必要があります。
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 現在の熱傷治療では、
 耐性菌の問題から、
 バラマイシン軟膏のような、
 抗生物質軟膏を使わない傾向があります
 62歳の形成外科医としては、
 使用方法に注意して期間を限って使うと、
 バラマイシン軟膏は痛くなくて、
 とてもいい熱傷治療薬だと思います
 エビデンスレベルは低いですが、
 若い先生へ伝えたいことの一つです

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