医学講座

コロナ禍_やけどにも注意

 今日は2021年1月27日(水)です。
 今朝の北海道新聞に、
 先日の第27回日本熱傷学会北海道地方会を取り上げていただきました。
 さすが北海道新聞社です。
 やけどについて道民に注意喚起をしていただき、
 感謝しています。
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 コロナ禍やけどにも注意
 札医大・山下講師が学会報告
 感染対策手術に支障
 危険性高い冬予防を
 新型コロナウイルスの感染拡大で、集中治療や何度も手術が必要な重症の熱傷(やけど)患者の治療が難しくなっている実態が23日、第27回日本熱傷学会北海道地方会(オンライン開催)で報告された。専門医は「冬はやけどをする危険性が高い季節。やけどをしないよう注意していただきたい」と道民に呼びがける。
 ミニシンポジウム「コロナ禍の熱傷患者への対応」で、合わせて4人の救急医と形成外科医が発表した。
 その1人、札医大形成外科の山下建講師=写真=は、コロナ感染者が熱傷で入院した場合に想定される処置や手術の対策を検討し、「本来ならば救命できる患者さんも助からなくなる可能性がある」と指摘した。
 発表によると、重症熱傷は早期に手術しないと命の危険がある。だがコロナ感染者の手術は病状が悪くなる可能性が高いという指摘もあり早期に組めない状況にある。壊死組織除去や植皮など複数回の手術が計画通りできないと救命が困難になることも考えられる。
 また、熱傷手術は通常、患者の体温低下を防ぐため30度近い高温の手術室で、広範囲の傷に対応するため大人数がつ短時間で終わらせる必要がある。だがコロナ感染者の場合、従来の感染対策に加えてコロナ感染防止のため、N95マスクやゴーグルなど個人防護具のフル着用をはじめより多くの対策が必要。そのためスタッフは体力を著しく消耗し、さらに壊死組織除去に使う水圧式ナイフで大量発生する飛沫による感染のリスクなども背負うという。
 一方、札医大病院高度救命救急センターが受け入れた重症熱傷患者は、2020年15人。19年の18人を下回った。コロナ感染患者への対応でコロナ以外の患者の受け入れを制限せざるを得ない状況が続いている。
 山下講師は「これまで当院に入院した熱傷患者でコロナ感染者はいないが今後は十分に考えられる。熱傷は予防できる疾患だ。医療者側の対策とともに、やけどする危険性を市民に啓発し熱傷予防に努めてもらうことも大切」と訴えた。
 (編集委員 岩本進)

(以上、北海道新聞より引用)

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 北海道新聞に書いてあるように、
 重症熱傷の治療は大変です。
 重労働です。
 コロナ対策のN95マスクは、
 正直なところ息苦しいです。
 N95マスクをつけて熱傷処置や手術は、
 若くて元気な先生や看護師さんでも苦しいです。
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 学会では、
 座長の奈良理先生(手稲渓仁会病院救急救命センター)から、
 N95マスク以外で、
 酸素を吸いやすい高機能マスクがあるので、
 コロナ予算で購入してもらうといいのでは?
 …というアドバイスをいただきました。
 奈良先生も札医大病院高度救命救急センターで活躍されていた、
 救急医療の大ベテランです。
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 実際にPCR陽性の熱傷患者さんのことが、
 他の病院の先生から報告されました。
 PCR陽性で重症熱傷になると、
 処置をするのはレッドゾーンの中です。
 治療にあったった先生や看護師さんは、
 通常の何倍も大変だったようです。
 やけどは予防できます。
 やけどをしないように気をつけましょう。
 記事を書いてくださった、
 北海道新聞社の岩本進編集委員に感謝いたします。

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