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札幌美容形成外科院長の日記

微小循環

2007年2月24日

 私は1994年3月に北海道大学から博士(医学)の学位をいただきました。私は大学院に進学しなかったので、市立札幌病院に勤務しながら北大医学部に通って研究をしました。大浦武彦教授からいただいた研究テーマはティッシューエクスパンダーというシリコン製のバルーン(風船)を使った皮弁の血行に関する研究でした。
 この研究で一番の難関は、新しくできた血管の微小循環をいかに客観的に評価するするか?という点でした。私は微小血管造影という手法で血管の写真を撮り評価しました。
 最初は失敗の連続で、@実験に使ったラットが高価なエクスパンダーを食いちぎってしまった。A感染でエクスパンダーが飛び出してしまった。Bラットを手術している最中に麻酔でラットが死んでしまった。などなど数え切れないほどの失敗がありました。
 この研究を通じて、私は皮膚の血管解剖と微小循環にとても興味を持ちました。皮膚が赤くピンク色をしているのは、真皮の下の血管網から毛細血管に赤い赤血球が循環しているからです。はじめて顕微鏡の下でラットの血管網と赤血球を見たときには、なんて美しいのだろうと感動しました。
 何度も失敗しましたが、くじけずに実験を続けました。その結果、大浦武彦教授から『今までこんなキレイな微小血管造影は見たことがない』とお褒めの言葉をいただくほど立派な結果が出ました。
 国際学会で発表したところ、米国の有名な教授から『この研究はとても重要なので、ぜひ米国形成外科学会誌に投稿しなさい。私がお手伝いしましょう』と言っていただきました。その結果、PRSという形成外科では世界一の雑誌に私の学位論文が掲載されました。私が生涯で最も誇りに思っていることの一つです。
 ホッペがピンク色になるのも、キズがキレイに治るもの皮膚に赤血球が循環しているからです。これが途絶えてしまうとキレイに治らなかったり、皮膚に潰瘍というキズができて痕が残ります。私がタバコを吸わないで下さい。キズの安静を保ってください。とお願いするのは、科学的根拠があるからです。微小循環を阻害(そがい)するとキズはキレイに治りません。


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