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札幌美容形成外科院長の日記

司法解剖

2007年3月21日

 札幌医大に入学して、一番最初に見学した解剖が司法解剖です。解剖には大きく3種類があります。医学部の学生が勉強のためにさせていただく解剖を系統解剖と言います。昭和49年当時は入学して3年目から始まりました。現在は、大学によって異なりますが、札幌医大では1年目の冬から実施しています。ちょうど今頃は、昨年4月に入学した学生が解剖実習をしていると思います。
 病気で亡くなった方の死因を調べるために行うのが病理解剖です。病理解剖は大学以外でも病理医の先生がいる病院で行われます。病理解剖は厚生労働省の臨床研修指定病院になるための条件でもありました。患者様や患者様のご家族とよい関係でなければ、解剖の承諾をいただけません。病理解剖が多いというのは、よい病院の一つの指標とも言われています。
 殺人事件で殺された。異常な状態で発見された死体などを捜査を担当する検察官や警察署長、海上保安庁などから嘱託を受けて執行するのが司法解剖です。医学部の法医学教室が担当します。札幌医大の八十島信之助先生は、中公新書から法医学入門という一般向けの本を出版されていました。私は大学に入学する前からこの本を読んでいました。高校生か予備校生の頃によく行っていた、地下鉄大通り駅近くにある‘リーブルなにわ’という本屋さんで見つけた記憶があります。
 はじめて司法解剖(法医解剖)を見学した時は、正直なところ驚きました。自分は殺されて解剖までされたくないと思いました。司法解剖は裁判所の許可があれば、本人や家族の承諾がなくても行われます。また脳を調べるために頭蓋骨を切られ脳を摘出されます。体も必要な部位はすべて解剖されます(通常は胸部から腹部までを切って内臓を出します)。
 医学生以外にも警察学校などから司法解剖の見学にいらしていました。柔道3段?いかにも強そうな警察学校の生徒さんが、解剖を見学して具合が悪くなって倒れるのを見ました。私は最初は少し怖かったですが、倒れることもなく見学していました。八十島先生が解剖なさる姿を見て法医学はすごいと思っていました。ところがある日、子供の法医解剖がありました。いつものように見学していたのですが、はじめて見る子供の解剖はダメでした。脳を取り出すために、電動ノコで頭蓋骨をキーンと切っている音を聞いていて、自分の血の気がなくなるのがわかりました。やっとの思いで解剖室を出て廊下を曲がって、売店の前にあるコーラの自動販売機の前まで来ました。ファンタグレープというグレープ飲料を買おうとしたところまで覚えていましたが、気が付くと売店のおばさんが『学生さん学生さん、大丈夫?』と私を助けてくれていました。これが私が倒れた第一回目でした。


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