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札幌美容形成外科院長の日記

日本形成外科学会C

2007年4月13日

 学会に参加する目的の一つは、新しい治療法や知見を知ることです。昔からどんな治療をしてもなかなか治らない‘病気’があります。
 形成外科医や美容外科医にとって一番困るのがケロイドです。キズが赤く盛り上がり、痒くなります。胸や肩にできたケロイドは手術でもなかなか治りません。治らないどころか切れば切るほど悪化します。ガンの治療に使うような放射線治療が必要になることもあります。
 今回の学会で、東邦大学形成外科の岡田先生が‘抗真菌薬により改善を認めたケロイド・肥厚性瘢痕の経験’という演題を出されていました。展示演題というコーナーで発表をポスターにして掲示する形式です。展示演題は、演壇に上がり聴衆の前で発表する口演より、どちらかというと低く見られるのですが、私はこのご発表が価値あるものに思えました。
 新しい治療法は、日常診療で気づいたちょっとした変化から生み出されることがあります。真面目に診療をしていると、‘あれっ?どうしたの?’と思うことがあります。
 岡田先生の発表は、ケロイドで悩んでいた患者様が、たまたま水虫になって、水虫を治す薬を内服したところ、何年も悩んでいたケロイドが快くなってしまった。というものです。‘なーんだ、じゃ水虫の薬を飲めばいいじゃん’と思われるかもしれませんが、ケロイドという病名で水虫の薬を処方することはできません。
 水虫薬の製薬メーカーがこの発表に気づき、これから臨床試験をはじめても、厚生労働省から認可されるまで何年もかかります。ケロイドで悩んでいる人は世界中に大勢います。もし水虫の薬でケロイドが治れば、これは世界的な大発見です。あと何年かしてケロイドが治るようになればと願っています。水虫薬メーカーの株価が上がるかも知れません。今日で学会は終わり、明日からまた診療をはじめます。


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