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札幌美容形成外科院長の日記

医師と労基法

2007年5月12日

 私は医師になってから25年間以上、勤務医をしていました。医師は患者様の急変に備えて、一年365日24時間待期しています。昔はポケットベルでした。休日に買い物をしている時も常に携帯していました。ポケベルが鳴ると、『あぁ、昨日手術したあの患者さんかなぁ…?』なんて考えながら公衆電話を探して電話したものです。
  札幌美容形成外科を開業してからも同じように対応しています。2007年2月21日からは夜間はテープによる案内にしましたが、緊急連絡先はご案内しています。医療法による規定はありませんが、私の方針で24時間連絡ができるようにしています。
 私が学会出張などで、電話対応ができない時は職員に頼んで電話応対をしてもらっています。自分が医師として勤務していた時には、待期に対して手当が出たことはなく、特に考えもしませんでした。それが医師として当たり前だと思っていました。ところが、診療所の経営者になって立場が変わりました。社会保険労務士に相談したところ、待期は労基法施行規則第23条による断続的な宿直・日直業務に該当するので、労働基準監督署に届けを出すべきだと助言を受けました。
 厚生労働省HPには詳しい記載がないので、神奈川県商工労働部HPで調べました。宿直又は日直業務で断続的な業務とは、本務に関する労働時間に引き続き、又は休日になされる勤務の一態様であって、本務とは別個の、構内巡視、文書や電話の収受又は非常事態に備えて待機するもので、常態としてほとんど労働する必要のない勤務です。労基署長の行う許可については、@「勤務の態様」(下記のとおり)、A「宿日直手当」(原則同種労働者1人1日の平均額の1/3を下らないこと)、B「宿日直の回数」(原則日直月1回宿直週1回以内)、C「その他」(宿直勤務については、相当の睡眠設備の設置)の各項目の基準をすべて満たしていることが必要です。
 これを読んで医師の勤務実態と極めてかけ離れていることに驚きました。労基法では当直は週一回、日直は月一回が限度です。3人しか医師がいな病院で当直が週一回しかできないのでは医療法を守れません。今でも、大部分の勤務医は日曜出勤手当もなく、日曜日に回診に行くのが当然だと思われています。先生の都合で回診時間がずれたりすると病棟の看護師さんに怒られます。
 Dr.コトーじゃないですが、僻地の診療所に一人で勤務している医師は、休む暇もなく拘束されています。大病院の勤務医は救急当番や緊急手術をした後に、次の日も平常勤務は当たり前です。私が帯広厚生病院形成外科部長だった時にも、部下の先生を午後から帰してあげたことなどなかったと記憶しています。市立札幌病院でも同じでした。
 美しい国をつくりたい日本の首相は、現在の医師不足をなんとか解消したいと考えているようです。北海道知事も僻地の医師不足を解消しようと努力しているようです。
 もし、日本の政治家が本当に良い医療を提供しようと考えているなら、労働基準監督署に医師の勤務実態を調査・改善させて、医師にも人並みの休日を与えてください。


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