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札幌美容形成外科院長の日記

熱傷学会@

2007年6月6日

 日本熱傷学会に参加するため金沢に来ています。熱傷学会はヤケドの学会です。すべての形成外科医がヤケドを専門にしているわけではありません。北大は私の恩師である大浦武彦先生が熱傷の専門家だったので、特に熱傷に力を入れていました。
 理由の一つは、北海道に炭鉱が多かったことです。私が中学校3年間を過ごした、北海道夕張市は代表的な炭鉱都市でした。私の中学時代に、父親が勤務していた三菱大夕張炭鉱で大規模な炭鉱事故がありました。炭鉱は燃料になる石炭を掘り出す鉱山なので、事故が起こると石炭に火がついて火災になります。
 狭い坑道に炭塵(タンジン)という石炭の粉が充満しています。事故で坑内火災が起きるとそれに火がつきます。一度にたくさんの人がヤケドをします。特に、気道熱傷という、高温の煙を吸い込むことによる、のどから肺にかけてのヤケドで命を奪われます。もちろん、顔も手も体も重症のヤケドになります。
 私が中学生の頃の事故でも重傷者がたくさん出ました。父親は薬剤師でしたが、受傷者の血液を検査して一酸化炭素の濃度を測定する仕事をしていました。ヤケドの治療に使う薬を大量に札幌から取り寄せていました。何日か病院に泊り込んで家に帰られず、母親が下着を届けていたのを記憶しています。
 私は北大形成外科の先生が大夕張の炭鉱事故の治療をしたのを知りませんでした。北大に入ってから、本間君は大夕張にいたんだね。昔、大夕張の炭鉱事故で大変だったんだよ。とはじめて聞かされました。何かの縁を感じました。
 私の札幌医大の先輩である阿部清秀先生は、ロシアから来た重症のヤケドの子供を治療しました。TVに出て有名になったコンスタンチン君です。もう立派な青年になったそうです。私も札幌医大に勤務していた時にジェーニャ君という子供の治療をしました。
 北海道はロシアに近いので、ロシアからの熱傷患者も治療する機会があります。熱傷治療はキズを治す根本を知らないとキレイに治せません。私は熱傷治療を通じて多くのことを学び、現在の美容外科診療に役に立っています。
 熱傷治療も進歩して、従来は必ず痕が残ったヤケドでも、キズを早く治すことにより目立たなくすることもできるようになっています。明日から2日間勉強して帰ります。


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