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札幌美容形成外科院長の日記

医療体制の整備

2007年9月1日

 奈良県の妊婦さんが救急車の中で死産した問題は他人事ではありません。北海道でも十分に起こりえます。
 札幌でもお産で有名だった天使病院が、産婦人科医の退職で、お産ができなくなる可能性があります。
 理事長が退任勧告を受けるなど、昔では考えられなかったことが起こっています。
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 投資の世界だけではなく、医療業界でも高リスク低リターンは嫌われます。
 他の病院で手に負えない、難産が予想される妊婦さんは、治療する側も心身ともに疲れます。
 徹夜で治療をして、やっと一息ついたと思ったら、また急患では、産科医も身が持ちません。
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 病院経営の悪化から、勤務医の給与は下がっています。
 看護師や助産師は給与を低くすると辞めてしまうので、ある程度の給与を保証しなくてはなりません。
 一番手っ取り早く下げられるのが、医師の報酬です。最近、勤務医の友人から給料が上がったという話しを聞いたことがありません。
 また下がったよ、嫁さんに『あんた辞めて開業したら…?』って言われてるよ。と悲鳴が聞こえます。
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 私の給与が一番高かったのは、美容外科の雇われ院長をしていた時でした。
 何回か書いていますが、医師向けの転職情報サイトも求人情報誌もあります。
 実際はそんなに高くありませんが、‘高級優遇’という甘い誘惑の言葉で医師の転職を誘っています。
 高リスク低リターンの勤務医から、低リスク高リターン?の美容外科医になりたいと転職する先生がいらっしゃいます。
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 確かに、一部のチェーン店美容外科では5,000万円以上の年俸を出しているところもありました。
 大手美容外科の医師給与は、完全出来高払い制です。‘売り上げ’が悪いと収入も極端に悪くなります。
 大手美容外科新規採用医師が、一年後も残っている率は10%以下とも言われています。‘現実’は厳しすぎて残れないのです。
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 少子化対策の一つとして、産科の医師を増やそうと国が本気で考えているのなら、産科医の待遇を改善することです。
 給与につながる診療報酬を改定して、徹夜で働いてもそれに見合っただけの報酬を与えることです。
 きたない話に聞こえますが、給与が高くなれば、自然と産科医を目指す医学生が増えます。
 産科医になりたい医師が増えれば、過酷な勤務も改善されます。
 一人の優秀な産科医を育てるのに、最低10年はかかります。医学部6年+臨床研修2年+産科医として10年=18年です。こんなに長くかかるのが医師の養成です。
 医療体制を整備するなら、医師の待遇を良くしなければよい人材は集まりません。
 昔から医師の中で一番短命なのが、産科医だと言われています。それだけ激務なのです。


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