医学講座

わきが手術と職業

 わきが手術は皮膚を削り汗腺と毛根をとる手術です。キレイにとればとるほど皮膚は薄くなり回復に時間がかかります。
 11月13日にも書いていますが、傷ついた皮膚が回復するには血管新生というメカニズムで新しい血管が再生する必要があります。
 他院でわきが手術をしたけれど、すぐに‘再発した’と訴えて来院なさる患者様は、そもそも汗腺が切除されていません。毛は前と同じように生えているし、キズもすぐに治っています。
 血管新生は皮膚の下の浅筋膜(せんきんまく)や脂肪層から起こります。細いほそい血管がひげ根のように伸びてきます。ワキを動かすとこの血管が切れてしまい皮膚が再生しません。ですから手術後一週間はワキを安静にする必要があります。
 私は、札幌美容形成外科は保険でわきが手術をして安いので治らないと言われるのが一番イヤなので、しっかり汗腺を取ります。ですから手術後に安静にできない方は手術をお引き受けしていません。
 このわきが手術に一番向かない職業は医師です。いままでいろいろな職種の方を手術いたしましたが、現役の医師は手術していません。休みがとれないからです。医学部の学生さんは何人も手術しましたが全員実習がない期間にしています。
 医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・看護助手・歯科助手・助産師・ケアワーカーなど白衣や制服を着て仕事をする方はワキの汗や臭いで悩みます。
 残念なことに、これらの医療系の職業はワキを動かさないで仕事をするのは無理です。現場を知っているので手術は無理だとお話しています。
 もしこの日記を読んでいらっしゃる医療系の方は、国家試験が済んだら4月までに手術を受けることを強くお薦めします。仕事が始まってからでは手術はとても難しいのです。もうすぐ平成19年2月25日(日曜日)に看護師の国試ですね。頑張ってください。

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