医学講座

豊かさを追って_ニトリの挑戦④

 今日は北海道新聞の連載が載ってました。
 まだ暗いうちに新聞を取りに行って、
 一番先に読みました。
 今日もニトリ成功の秘密が書いてありました。
 私は流通業とは無縁ですが、
 似鳥昭雄社長の大ファンです
 すごい人物だと尊敬します。
 平成27年12月12日土曜日、北海道新聞朝刊の記事です。
 若い人にも北海道新聞を購読していただきたいです。
      ■         ■
 豊かさを追って_ニトリの挑戦>4
 低コスト運営 自前で運んで成長加速
 11万平方メートルの敷地に5棟の倉庫が並び、何台もの大型トラックが出入りする。中国・上海の郊外にある大規模な物流加工センター。倉庫の中では作業員が指示書をもとに、さまざまな商品を一つの段ボールに詰めていく。スリッパ、タオル、トイレマット…。荷の行き先は家具・インテリア製造販売日本最大手ニトリホールディングス(HD、札幌)が日本とアジアで展開する400余りの店舗だ。

 センターの運営は同社の物流子会社、ホームロジスティクス(札幌)が担い、現地採用した中国人約130人が働く。センターの名称に「物流」だけでなく「加工」と付いているのは、商品の仕分け作業も手がけているからだ。

 2008年に本格稼働して以降、中国の工場で委託生産された繊維製品などを集めて一時的に保管し、各店舗が必要とする商品を必要な量だけ送り出している。取扱商品の種類はおよそ1万に及ぶ。

 センターができる以前、中国で作られたニトリHDの商品は各工場から直接、日本へ送られていた。だが、距離が遠いだけに、ばらばらに運ぶと余計な費用がかかる。しかも各工場で作られた商品がコンテナで大量に届くため、日本に着いてから店舗向けに仕分けなければならない。ならば「人件費の安い中国で作業した方が効率が良い」(同社幹部)のは明らかだ。

 工場でつくった商品を店で売る。その間には必ず、商品を運ぶ作業が必要になる。これが「物流」である。倉庫、トラック、船など多くの業者が介在し、一時保管や貿易の通関といったノウハウも求められる。物流はかつて、その複雑さゆえにコスト削減が難しい「暗黒大陸」と呼ばれた。

 だがそれは、工夫・省力化の余地が大きいことも意味する。米 アマゾン・コム が独自の物流体制をテコに、インターネット通販世界最大手へと上り詰めた。「アマゾンに続け」と、流通企業はこぞって物流に熱い視線を注いでいる。

 ニトリHDが物流に本格参入したのは、まだ札幌にしか店がなかった1980年。6階建ての倉庫を札幌・手稲区に建設したのが始まりだった。家具の出し入れを機械で行う、国内初の家具専用自動倉庫。似鳥昭雄社長が自動車大手、日産自動車の工場を見学した際、巧みに機械化された倉庫を見て思いついたという。

 大量の商品を自ら保管する体制をつくれば、1回当たりの仕入れを増やせる分、価格交渉も有利になる。この発想が、後のニトリHDの成長を支えていく。

 安く大量に仕入れ、効率的に保管し、多店舗で売りさばく。事業の形は固めたが、実際の運用は一筋縄ではいかなかった。

 10年ほど前、船のチャーターに関する不正取引の情報が舞い込んだ。調べると、仲介業者と交渉する社員が内規に反する接待を受け、チャーター料を高止まりさせていた。社内に「暗黒大陸」があったわけだ。船の費用は年に30億~40億円もかかる。これを機に仲介会社と関係を絶ち、船会社との直接契約に切り替えたところ、年間5億~6億円の経費が浮いた。

 在庫管理にも悩みはある。海外工場へ発注し、実際に商品が届くまでには3~4カ月かかる。数カ月先を見据えて在庫を管理しなければいけないが、売れ行きを見誤ると、たちまち倉庫に売れ残り品の山ができる。現金を生み出さず、保管コストもかさんで経営を圧迫する「不良在庫」である。数年分の不良在庫を抱え、やむなく焼却処分することは今もあるという。

 ホームロジスティクス社は日本国内でも10万平方メートル級の物流センターを4カ所、3千平方メートル級を80カ所に構える。ニトリ各店に商品を運ぶだけでなく、店から顧客宅までの配達や、家具の設置も手がけ、売り上げ増を図る。

 今や国内の人口カバー率98%、年間配達件数500万件。大型荷物の取り扱いでは、最大手ヤマトHDなどと国内トップグループを形成するまでになった。

 苦心の末に築いた自前の物流体制。これもニトリHDの快進撃を後押ししている。

物流拠点、多店舗網の要
 札幌の家具店から始まったニトリホールディングス(HD、札幌)が物流まで手がけるようになったのは、小売りチェーンの展開と物流が切っても切れない関係にあるためだ。

 限られた面積で多くの商品を陳列する店舗には、保管スペースがほとんどない。だから、売れる商品を、必要な時に必要な量だけ配送する必要がある。ただ、別々のトラックが少量の商品を何度も運ぶのは効率が悪い。物流センターでさまざまな商品を1台のトラックに載せ、一度に店へ運べば無駄がない。店舗数が増えるほどコスト削減効果は大きくなる。

 近年、流通大手は軒並み、自社専用の物流センターを構えるようになった。しかし、運営方法は企業ごとに異なる。 セブン&アイ・ホールディングス はセブン―イレブン店舗用のセンターを自前で持たず、物流企業に専用センターの建設を含めた業務を委託している。一方、イオンは物流会社を傘下に抱え、グループ内でセンターを運用している。

 自前で運営して効率化を目指すか。「餅は餅屋」と、専門業者に委託するか。どちらを選ぶかに「その企業の経営哲学が表れる」(流通アナリスト)。

 その点、ニトリHDは徹底した自前主義をとる。物流へと守備範囲を広げることで、企業として「効率化のための工夫の余地が大きくなり、社員の技能を高める最良の現場教育になる」(同社幹部)からだ。

 仮にある企業が店舗運営しか手がけないとする。その場合、商品を安く販売するための効率化努力も店舗内部に限られる。ニトリHDは、商品の生産から物流まで一手に行うことで企業の器をぐっと大きくする道を選んだ。

 それにより、ビジネスのあらゆる段階でコスト削減の工夫を積み重ねることも可能になった。

高度な管理システム 物流専門誌「月刊マテリアルフロー」の菊田一郎編集長の話
 日本から離れたアジアで多くの商品を生産するニトリHDは、コンテナ数で国内最多の輸入量を誇る企業でもあります。物流を担う子会社ホームロジスティクスは、ほかの物流企業に引けを取らない物流センターや、配車を管理する高度なIT(情報技術)システムを持っています。

 国内では大型荷物を扱う業者が減っています。家具のような荷物を運ぶ作業は大変なので、働き手が集まらないのです。ホームロジスティクスは物流センターやトラックの空きスペースを他社と共有し、物流効率を高めています。社会的にも意義のある戦略ですね。
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スリッパやトイレマットなど複数の商品を、一つの店舗で必要とする分だけ箱詰めする作業員=上海郊外にあるニトリグループの物流加工センター

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(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 私は1980年にできた、
 札幌市手稲区にある6階建ての倉庫を知っています。
 あんなところに、
 ニトリさんができた?
 …と思っていたら倉庫でした。
 家具屋さんは配達が命です。
 新品の家具に、
 ちょっとでも傷がつくとキズ物です。
      ■         ■
 ニトリさんの配達は早いです。
 AMAZONより荷物が大きいので、
 さすがに翌日配達はありませんが、
 大型家具でも早いです。
 似鳥昭雄社長が、
 日産自動車の工場を見て、
 巧みに機械化された倉庫を見て思いついた

 …というのがすごいです。
 医療の世界ではなかなか難しいですが、
 似鳥昭雄社長を見習って、
 他業種でもいいところはどんどん真似をしたいです。

“豊かさを追って_ニトリの挑戦④”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    ニトリさんは配達もするのですね。初めて知りました。 あと何年がんばれるかわかりませんが 少しでもニトリ社長を見習いたいとおもいます。偉大な社長を産んだ北海道民が羨ましいです。 今日は研究会でしたか?お疲れ様でした。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。今日は北大形成外科アカデミーという研究会とその後に北大形成外科同門会総会、忘年会がありました。若い先生の発表を聴いて刺激を受けました。ニトリさんは、製造から配達までのすべてをなさいます。北海道が産んだ世界のニトリです。

  2. なっちゅん より:

    そういう仕組みで配達が早いのですね。
    うちは田舎なので
    配達が遅くなると言われ
    がっかりしましたことを思い出しました。

    郵便局でも、宅配便でも
    そうです。
    田舎は不便です。

    ニトリさんから家具が届いた時
    札幌では大丈夫でしたが
    ここでは二箇所か三箇所、傷が付いてて
    値引きしてもらいました。
    向こうから言ってくれ良心的でしたよ。

    昔から札幌でも購入してて
    実家もほぼニトリの家具です。
    その時もとてもいい対応でした。

    伸びる会社は違いがありますね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。似鳥昭雄社長のすごいところは、いいものはいち早く即決即断で導入されるところです。なかなか真似はできません。

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