医学講座

自由診療の静脈麻酔

 ドルミカムと静脈麻酔
 2015年12月18日の院長日記です。
 ドルミカムという薬は、
 ベンゾジアゼピン系薬剤です。
 セルシンという薬と同じ系統の薬です。
 ドルミカムの方が新しい薬です。
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 セルシンとかホリゾンというのは商品名です。
 一般名はジアゼパムと言います。
 医学生は、
 このジアゼパムという名前を教えられます。
 はっきり言うと、
 ドルミカムの方が、
 慣れた先生には使いやすい薬です。
 過剰投与で呼吸停止になることもありますが、
 使う先生の問題です。
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 日本では、
 保険診療で、
 静脈麻酔薬として使うことは認められていません。
 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静
 …には認められていますが、
 【医科】の手術及び処置時の鎮静には、
 正式には認められていません。
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 歯医者さんには認められているのに、
 お医者さんには認められていないのは、
 かなり変な話しです。
 薬事承認時に臨床試験をしなかったためだと、
 (私は)推測しています。
 医科で臨床試験をすると、
 莫大な経費がかかるためだと推測します。
 ドルミカムは海外では医科でも広く使われています。
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 日本でも、
 医科で使っている施設はたくさんあると思います。
 ただ、
 【静脈麻酔】として保険請求ができないのです。
 美容外科では、
 大部分が自由診療です。
 眠っている間に手術を受けたいという人もいます
 そんな方のためにドルミカムを準備しています。
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 自由診療では、
 どんな薬を使って静脈麻酔をしようと自由です。
 ただ、
 モニターもないクリニックで、
 静脈麻酔をするのは危険です。
 美容外科で起きた死亡事故の多くは麻酔が原因です
 静脈麻酔をするなら、
 最低でもモニターを装着して、
 呼吸停止になってもすぐに酸素を投与できるように、
 麻酔器を準備すべきです。
 それが安全な手術の基本です。

“自由診療の静脈麻酔”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    よい薬なら莫大な費用がかかったとしても国が医科でもつかえるようにするべきだと思います。 そしてモニターもないような所では手術しないことですね。 私は口の中の手術で血圧が下がり意識が遠のいたことがありますが、モニターをつけていたので手術を中断し血圧が回復してから手術を再開しました。 本間先生の所は設備が大病院と同じだと見学させていただいた愚息が言ってました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私が知っている美容外科の死亡事故はモニターさえあれば防げた可能性が高いものです。静脈麻酔をするなら最低限のモニターは準備すべきです。

  2. なっちゅん より:

    臨床試験をしてほしかったですね。
    無理なんでしょうか。
    お金が掛かりすぎて。

    そういえば全身麻酔ではモニターにつながってますね。
    ドラマでよく見ます。

    美容外科での死亡の原因の多くの理由わかりました。
    また一つ勉強になりました。
    ありがとうございます。
    またひとつ
    セルシンでもモニターにつなぐのですか?
    私は胃カメラで結局寝ませんでした。
    日頃睡眠薬を服用してるせいでしょうか?

    でも楽に胃カメラを受けることができました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。セルシンを使って内視鏡をする時でも私でしたらモニターは装着します。検査をする医師も安心して内視鏡に専念できます。

  3. くくるん より:

    先生のところはドルミカムを使用されているのですか。
    本格的に眠るプロポフォールをメインに使うところも多いですよね。
    さすがに静脈麻酔下での手術ならモニターは必須だと思いますが、
    準備してないところもあるのですか?

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    私が知っている美容外科の死亡事故の中には術後にモニターさえ装着していたら防ぐことができたのに…というのがあります。札幌美容形成外科にはプロボフォールもドルミカムもあります。どちらもモニター無しでは使いません。麻酔器もあります。静脈麻酔をするなら麻酔器は必須だと思います。何かあってもすぐに酸素を投与して補助換気ができるからです。

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