医学講座

生後10ヶ月の女児が犬にかまれて死亡

 平成29年3月14日、朝日新聞朝刊の記事です。
 とても残念で悲しい事故です。
 私たち形成外科は、
 犬がかみついたけがを治療します。
 ふつうのけがより治りにくいです。
 北国では、
 雪がとけて春になると犬のかみつき事故が多いです
 くれぐれも気をつけてください。
      ■         ■
 乳児が犠牲に…飼い犬のかみつき防ぐには
 飼い犬のゴールデンレトリバーに、生後10カ月の女児がかまれて亡くなるという痛ましい事故があった。家族同様に慣れ親しんだおとなしい犬でも、人をかむことがあるのか。どうすれば防げるのか。
 ■おとなしいはずが
 今月9日夕、東京都八王子市の住宅街にある民家から、「女の子が犬にかまれた」と119番通報があった。女児を預かっていた祖父母の家で、ゴールデンレトリバー(4歳オス、体重約37キロ)が女児の頭をかんだ。警察によると、祖父母と女児が床で遊んでいたところ、犬が突然かみついた。室内にケージはあったが、普段から放し飼いだった。女児は何度も祖父母宅に来ており、この犬と初めて接したわけではなかったという。
 「ほえたりかんだりせず、臆病でおとなしい犬」。生後3カ月から飼っていた祖父母は警察にこう説明した。近所の人も「しっかりしつけられ、トラブルはなかった」と口をそろえる。
 国内で血統証明書を発行する一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」(東京)によると、ゴールデンレトリバーは英国原産。温和な性格とされ、古くは狩りで撃ち落とした鳥類をくわえて運ぶ「鳥猟犬」だった。利口で人と行動することを好むため、警察犬や介助犬、災害救助犬として活躍することが多い。
 ■口元覆う「口輪」も
 ではなぜ、いきなり女児をかんだのか。犬の問題行動やしつけについて出張指導する「Doggy Labo(ドギー・ラボ」(東京)代表の中西典子さんによると、犬がかみつくのは、怖い時、不快感がある時、何かを制止したい時が主だという。女児は最近、ハイハイを始めたばかりだった。「ゴールデンレトリバーが赤ちゃんをかんだというのはほとんど聞いたことがないが、人が何とも思わない行動でも犬がどう受けとめるのか、わからない。予期せぬこともあると理解し、乳児と一緒のときは目を離さないようにしてほしい」
 東京大学大学院獣医動物行動学研究室の武内ゆかり准教授(動物行動学)は別の理由を示唆する。「赤ん坊のミルクの匂いを食べ物と勘違いした可能性が考えられる。小さな体は獲物と認識しやすく、しつけられていても犬の本能が働くことがある」。小型犬であっても、室内で赤ちゃんと犬のみにするのは危険だと指摘する。
 室内で放し飼いの犬は多いが、小さな子どもがいる場合、武内さんは口元を覆う「バスケットマズル」という犬用の口輪を薦める。口輪には、ほえないよう強く固定するものもあるが、バスケットマズルは籠状で、比較的空間が確保されている。「見た目がかわいそうという飼い主もいますが、犬にストレスはありません。ほえることもでき、慣れれば首輪と同じです」と話す。
 ■小型犬でもリスク
 環境省によると、犬のかみつき事故は全国で4373件発生(2015年度)。野犬による被害が減る一方で、飼い犬による事故が95%以上を占める。被害者の状況別では「通行中」が最多で、「配達、訪問などの際」が続くという。同省動物愛護管理室は「どんな種類の大型犬でも小型犬でも、かみつきのリスクはある。『うちの犬は大丈夫』と過信しないでほしい」と呼びかけている。
 (国吉美香)

犬のかみつき事故件数の推移
過去にあった主な犬のかみつき事故
(以上、朝日新聞より引用)


      ■         ■
 生後10カ月の女の子、
 自分の孫が、
 自分の飼い犬にかまれて亡くなるなんて、
 じいちゃんとしてはとても耐えられません。
 どうしてこんなことに…
 …という思いがします。
 本間家にもそら君という犬がいます
      ■         ■
 私からのお願いです。
 犬を信用しないでください
 けがをしてからでは遅いのです。
 犬に咬まれたキズで一番困るのが顔のケガです。
 私もよくしていましたが、
 犬に顔を近づけてよしよしをします。
 うちの犬はよく私の顔をペロペロします。
 この時に、犬が間違って咬むと大変です。
 口唇がちぎれてなくなった人もいます
 鼻の頭が食いちぎられてしまった人もいます
      ■         ■
 若い女性や子供さんは
 絶対に、
 犬にペロペロはしないでください
 修復するのに何年もかかりました。
 春はうきうきして楽しい季節ですが、
 不慮の事故が多いのも春です。
 くれぐれも気をつけてください。
 亡くなられた生後10カ月の女の子のご冥福をお祈りしています。
 とても残念な事故です。
 二度と起きてほしくないです。

“生後10ヶ月の女児が犬にかまれて死亡”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    驚きました。
    狩猟本能、ミルクの匂いが獲物に。

    慣れ親しんでたら
    警戒を忘れてしまうと思います。

    友達は飼い犬に鼻を噛まれました。
    甘ガミをこえてたそうです。

    やはりわかりませんね。
    目を離さないように
    しなければいけませんね。
    とても勉強になりました。

    本間先生も書かれてましたが
    愛犬に孫を殺されたなんて
    お祖父様もやむにやまれない
    悲劇としか思えないお気持ちでしょう。

    亡くなったご両親も
    立ち直れないお気持ちだと思います。
    かける言葉が見つかりません。

    亡くなった女の子のご冥福をお祈りします。

    書き忘れました。

    バスケットマズルは、
    マズルにあった物を慎重に選んでください。

    私の犬はマズルが細すぎて
    耳の治療中に外れてしまいました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。ほんとうに残念な事故です。心からご冥福をお祈りしています。

  2. さくらんぼ より:

    我が家のちびは 噛みつき犬でした。餌の残りの脇を通っただけでガブ 、私は足、母は腕で病院に行き、主人は鼻の頭でした。 ゴールデンレトリバーは温厚な犬だ思います。昔ミルクの匂いのする赤ちゃんの顔にネズミがいたと聞いたことがありますがそんな感じだったのでは。 赤ちゃんのご冥福をお祈りいたします。 みなさんも気をつけましょう。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私も飼い犬のチェリーにもそら君にも咬まれました。実験動物のラットにも咬まれました。自分が咬まれるならまだマシですが孫が咬まれるなんて、、、しかも亡くなってしまうなんて考えられません。動物に咬まれた事故はたくさん治療しましたが犬にかまれて孫が亡くなったのははじめて聞きました。心からご冥福をお祈りしています。

  3. えりー より:

    犬による負傷は形成外科なのですね。
    私の知人も子供の頃、近所の犬に顎を咬まれて
    40代の今になっても傷が残っています。

    このような出来事になるとは、
    誰も思っていなかったと思います。
    女の子のご両親と祖父母の悲しみを
    考えると苦しくなります。
    女の子のご冥福をお祈りします。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。かまれたキズは治りにくいです。鼻の一部や口唇の一部を食いちぎられた患者さんもいました。顔のきずは形成外科です(申し訳ありませんが札幌美容形成外科では急患には対応しておりません)。

  4. すみれ より:

    この話を聞いた時、犬好きとしては、なんとも言えない気持ちになりました。可愛いお孫さんを亡くされた、悲しみ、子犬から飼っていた愛犬。後悔しても、もどりませんよね。家のいぬは雑種でしたが、シェパードのミックスで大きかったです。やはり、繋いでいても孫がよちよち歩きの時は不安でした。事故が起きる前に、注意が大切だと思いました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。お孫さんが亡くなってしまい、ご両親や祖父母の悲しみは想像もできません。どんな犬でも油断してはいけないとあらためて思いました。ご冥福をお祈りしています。

  5. くくるん より:

    どんなに長く一緒にいて家族同然でも、犬は人間ではないですもんね。ある意味、人間の犬への過信がそうさせてしまったのだと思います。
    大切な家族にも、犬にもまさかの出来事が今回起こってしまった。
    残された家族の心境を考えると、辛いものがありますね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。ゴールデンレトリーバーやラブラドルレトリバーはおとなしい犬の代表でラブは盲導犬にもよく使われれています。私もまさか?と思いました。でも、犬はやはりイヌなんですね。とても悲しい事故です。二度と繰り返さなないためには人間が気をつけるしかないと思います。

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