医学講座

DNR心肺蘇生をしないでください

 DNRでぃーえぬあーると呼びます。
 医学で使う時には、
 死ぬ時に、
 心肺蘇生しんぱいそせいをしないでください。
 (私はこのまま天国に行きます)
 …という意思表示になります。
 高齢のお年寄りが急変した時にどうするか?
 病院から聞かれることがあります。
      ■         ■
 高齢でなくとも、
 自分が死ぬとわかってきた時に、
 意思表示をしておくことがあります。
 ウィキペディアによると、
  do not resuscitate蘇生措置拒否と訳される。
 死を覚悟した患者ないし家族によって、
 容態が急変し心停止に至っても心肺蘇生法を行わないで、
 静かに看取って欲しいという意思表示がなされることがある。
 医療機関で、前もってこれらの要望を記載する用紙を「DNRシート」と呼ぶ。

      ■         ■
 心肺蘇生というのは、
 よくTVでやっている、
 心臓マッサージ人工呼吸のことです。
 心臓マッサージは、
 かなり激しい医療行為です。
 肋骨が折れることもあります。
 心臓マッサージを10分もすると、
 くたくたになります。
      ■         ■
 事故や病気で、
 急に心臓が止まった時には、
 もちろん心臓マッサージをします。
 除細動装置を使うこともあります。
 オレンジのAEDAutomated External Defibrillator
 自動体外式除細動器
は街中でもよく見かけます。
 病院には昔から除細動器があります。
 装置を作働されると身体がびくっっと動きます。
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 私はもし自分が助かる見込みがなかったら、
 もちろんDNRです。
 使えるところがあれば、
 ドナーになります
 提供する組織は、
 すべてです。
 もちろん採皮もしてもらいます。
 採皮するのは形成外科の先生です。
 採皮に失敗して、
 皮膚に穴があいても文句は言いません
 化けて出ることもしません。
 私はけちな男なので
 使えるものはすべて提供します。
 

“DNR心肺蘇生をしないでください”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    両親は昭和一桁生まれ。
    古い考えですので
    提供はしないで天国に行きたいと
    望んでました。

    私は本間先生のブログを拝読しているうちに
    考えが変わりつつあります。
    私の一部で助かる人がいるのであればと。

    亡くなったら原因を知るべくCTを
    撮ってもらうといいです。
    と先生からの教えがあったのに
    私は父の死を目の当たりにして
    パニックになり
    忘れてしまいました。

    点滴も漏れて、
    抗生剤も投与できないと知り
    立ちすくんでしまったんです。

    3ヶ月、ほぼ熱があり
    体力を落ちていったので
    老衰に近いのだと思ってます。

    まだなんの気力わかないですが
    私が悲しんでいては
    天国で両親が心配するでしょうし
    気を強く持たなければとは
    思ってます。

    昨夜両親の夢を見ました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。死後CTは外傷や事故で亡くなった患者さんの時だと理解しています。お父様の場合は死後CTを撮っても情報は得られなかったと思います。最期はお嬢様がそばにいらしてお幸せでした。私たち医療従事者は自分の肉親の死に目には立ち会えないと言われています。私の息子も医師なので無理だと思っています。ご冥福をお祈りしています。

  2. さくらんぼ より:

    私もDNRを希望します。 もっというなら急に、誰にも迷惑をかけずに死にたいです。 もちろん 使える臓器はすべて提供しますが、献体したら 提供できなくなりますよね。 私なら本間先生の脳と 手をいただきたいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私の脳と手でよければ差し上げますが、果樹園の作業には向かない手です。今の臓器移植では脳も手も移植はできません。眼球の角膜とか上肢の皮膚なら使える可能性がありますが、上肢は採皮しにくいので背部や腹部、大腿などから採皮すると思います。

  3. すみれ より:

    DNRのことは知りませんでしたが、夫婦の間で延命処置はしない、と書きました。また、母も95歳なのですぐ逝きたいと申しております。死を考える歳になりました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私は1989年4月から市立札幌病院に勤務しました。35歳でした。その時にはじめて救命救急センターに行くようになり、自分の死も考えました。家内の父親が64歳で急性心筋梗塞で亡くなったことも影響しました。最初に登録したのが腎バンクです。その後、自分も東京のスキンバンクから皮膚を提供していただき札幌医大で使わせていただきました。それから自分の皮膚も死後に提供しようと考えるようになりました。死んでからも皮膚でしたら採皮できますし、重症熱傷の患者さんの救命に役立ちます。残念ですが今は東京のスキンバンクは運営が都内に限定されています。スキンバンクの皮膚が日赤の血液製剤のように広まるといいと思っています。

  4. えりー より:

    DNRというのですね。
    4年前に脳出血の後遺症で10年以上、
    老人施設で過ごした祖母が老衰で
    病院で亡くなる時に医師から心肺蘇生を
    するかしないか家族が聞かれました。
    希望しなかったので静かに苦しまず
    旅立って逝きました。

    私の時もDNRでドナーとして使えるところは
    使って欲しいですが、漢方やサプリメントなど
    服用しているので大丈夫なのかな?との
    思いもあります。

    親、夫婦間でもこのような話をする事が、
    ないので話し合ったり希望を聞くのは、
    大切だと思いました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。DNRという言葉を使わなくても医療機関で聞かれるようになりました。ドナーになるならないは個人の考えもあります。私はどうせ灰になるなら使えるところは使ってくださいという考えです。若い頃には考えもしませんでした。

  5. くくるん より:

    運転免許証の裏を見ると、臓器提供に関する意思が自由に記入できる欄がありますよね。
    ちなみに自分は記入すらしていないのですが。

    スコットランドにDNR記入シートがあることは知りませんでした。
    個人的にはある程度年をとったら無理な延命はするべきでないのではと考えています。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私も20代のころは臓器提供を考えてもみませんでした。実際に脳死の患者さんを診察して考えが変わりました。

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