医学講座

弁護士から学ぶ医療事故

 昨夜(2017年10月20日金曜日)19:00~20:30まで、
 札幌市保健所の主催で、
 平成29年度医療安全講習会が、
 札幌市保健所がある建物、
 WEST195階講堂で開催されました。
 講演は、
 ①弁護士から学ぶ医療事故
 講師:札幌市弁護士会 田端綾子 弁護士
 ②札幌市医療安全相談窓口に寄せられる相談事例について
 講師:札幌市保健所医療政策課 西澤美幸さん
 でした。
      ■         ■
 弁護士の田端綾子先生は、
 札幌のラベンダー法律事務所の先生です。
 先生は、
 札幌医療事故問題研究会、事務局次長、
 医療事故情報センター(名古屋)、理事
 市立札幌病院医療安全対策会議のメンバーです。
 医療事故に、
 患者側弁護士としてご活躍中です。
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 田端先生から、
 裁判所における医療事故の年次推移や、
 和解率、認容率、
 通常訴訟と医療訴訟の違いなど、
 興味深い内容を教えていただきました。
 医療事故は、
 通常訴訟と違った難しさがあります。
 弁護士さんの中でも、
 医療訴訟に詳しい先生でなければ、
 患者側が医療機関を相手に裁判をするのが、
 大変なことがわかりました。
      ■         ■
 田端先生の講演で、
 日本の裁判所における医療事故の提訴件数が、
 年間800件~1000件で推移していること、
 和解率が50%程度、
 認容率が20%程度と教えていただきました。
 和解率や認容率などは、
 素人には難しい言葉です。
 患者側が訴訟を提起しても、
 勝訴するのが難しいことがわかりました。
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 裁判には至らない、
 患者さん側の不満が、
 とても多いことを教えていただきました。
 医療事故被害者には5つの願いがあるそうです。
 原状回復
 真相究明
 反省謝罪
 再発防止
 損害賠償

 もっともなことです。
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 裁判所における医療事故を診療科目ごとにみると、
 平成28年度では、
 内科
 外科
 歯科
 整形外科
 産婦人科
 精神科
 形成外科
 その他の順番です。
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 絶対数が少ない形成外科が、
 診療科目ごとランキングに入るのは、
 あまり名誉なことではありません。
 患者さんから訴えられないように、
 毎日の診療を
 安全
 正確
 親切
 丁寧

 …にする必要があると感じました。
      ■         ■
 札幌医療事故問題研究会の弁護士さんや、
 ラベンダー法律事務所では、
 患者側からの相談は、
 原則無料だそうです。
 医療事故の被害者になった方は、
 弁護士の田端綾子先生にご相談なさってください。
 とても優しくて親切な先生です。
 頼りになる弁護士さんです。

“弁護士から学ぶ医療事故”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    大抵は 患者側が 承諾書を書いているので 腑に落ちない事があっても諦めます。私の母は救命救急に夜間受診し 夏バテと言われ ポカリでも飲んで寝ていれば治ると言われ帰され、翌朝も頭が締め付けられるようだというので 開業医のA先生に行ったらCTを撮りくも膜下出血であることがわかり、昨日行った病院に緊急搬送されすぐ開頭手術でした。死んでいたら訴えたいくらいでした。 親戚のお父さんも腸カメラで腸に穴が開き 大きな病院に移す時 医師が乗っていたと記載されていたのは嘘で おまけに亡くなり、市会議員が中に入り、和解させられました。 確かに事故はあると思いますが、隠蔽だけはしないでください。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。確かに誤診や見落としがあります。さくらんぼさんのお母様は危なかったですね。虚偽の記載や隠蔽もあると思います。保険診療の場合は医師賠償責任保険に加入しているので過失を認めて保険金を払ってもらうといいと私は思います。実際には調査委員会が入ったり保険会社が入ったりして面倒なこともあるようです。

  2. なっちゅん より:

    お疲れ様でした。

    聞いてはいましたが
    医療事故の被害者の勝訴はやはり難しいのですね。

    ラベンダー法律事務所は
    初回相談料が無料ということですか?
    都会はいいですね。

    こちらは初回無料の所はありません。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。患者側が提訴しても勝訴するのは難しいようです。逆に医療側にしてみると提訴されると和解になったり敗訴することも確実にあるということです。医療者側は自分だけは事故を起こさないなんて思わないことです。車の運転と同じで毎日緊張して医療に従事することが大切です。ラベンダー法律事務所では、医療事故相談については初回相談が無料だそうです。HPを拝見すると法テラス経由だと他の相談でもできることもあるようです。

  3. すみれ より:

    年間の医療訴訟の多さに驚きました。確かに施術をうけたあと、話しを聞いてくれる弁護士さんがいるとホットしますね。本当の裁判になるなら医学の勉強をしっかりしないとだめだから、大変ですよね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。ラベンダー法律事務所の田端綾子先生は札幌西高校→一橋大学法学部ご卒業の先生です。優秀な弁護士さんです。医学の勉強もしなくてはならず大変だと思います。すごい先生です。家庭裁判所の案件も多いと伺いました。

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