医学講座

第61回日本形成外科学会(福岡)①

 今日から福岡で第61回日本形成外科学会です。
 久しぶりの学会は新鮮です。
 知り合いの先生や業者さんに何人もお会いしました。
 無事に移転できたことを喜んでいただきました。
 ありがたいことです。
 今日は朝から眼瞼下垂のシンポジウムを聞きました。
      ■         ■
 シンポジウム1
 4月11日(水)9:00~10:30 第1 会場
 座長:松尾 清(松尾形成外科・眼瞼クリニック、信州大学医学部形成再建外科教室)
  村上 正洋(日本医科大学武蔵小杉病院眼科・眼形成外科)
先天性眼瞼下垂の開瞼・閉瞼機能と整容のリカバリー
SY1-1 先天性眼瞼下垂の再手術の工夫:ミュラー筋機械受容器伸展回復で前頭筋を動かし大腿筋膜で瞼板を挙上する
 松尾 清(松尾形成外科 眼瞼クリニック、信州大学医学部形成再建外科学教室、浜松医科大学附属病院形成外科)
SY1-2 当科における先天性眼瞼下垂手術
 清水 雄介(琉球大学 医学部 附属病院 形成外科)
SY1-3 片側性先天性眼瞼下垂の長期観察例における開瞼・閉瞼・視力対する機能的評価と整容的評価
 坂原 大亮(大阪市立総合医療センター 形成外科)
SY1-4 先天性眼瞼下垂:開瞼・閉瞼・整容の3 条件をバランスよく満たすための筋膜吊り上げ術
 権太 浩一(帝京大学 医学部附属溝口病院 形成外科)
SY1-5 先天性眼瞼下垂症に対する大腿筋膜移植法の改良~自然な開閉瞼のために
 一瀬 晃洋(神戸大学大学院医学研究科形成外科学)
SY1-6 前頭筋吊り上げ術後の合併症~大腿筋膜による過矯正とPTFE シートによる低矯正~
 小久保健一(藤沢湘南台病院 形成外科)

      ■         ■
 先天性眼瞼下垂症は、
 生まれてきた赤ちゃんの目が開きにくい病気です。
 手術方法や、
 手術時期が難しい疾患です。
 大腿筋膜移植が一般的な手術法です。
 ご両親としては、
 一日も早く赤ちゃんの目を治してあげたいと願います。
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 大腿筋膜移植は難しい手術です。
 術者によってやり方が微妙に違います。
 手術結果も、
 術者や施設によって違います。
 お母さんたちが困っています。
 体験記やブログもネットで見かけます。
 今日のご発表で私が感動した術式がありました。
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 SY1-2 当科における先天性眼瞼下垂手術
 清水雄介(琉球大学医学部 形成外科)

 琉球大学医学部形成外科の、
 清水雄介教授のご発表です。
 清水教授の手術法は、
 0歳~2歳の、
 重度の先天性眼瞼下垂症に、
 ナイロン糸を使って吊り上げる手術を行っています。
      ■         ■
 大腿筋膜を使う方法より低侵襲で、
 小さな子供さんの目が、
 実によく治っていました。
 私が会場で、
 自分の孫がこの病気だったら、
 清水先生に手術をしていただきたい

 …と言いました。
 沖縄までこの手術を受けに行く価値があります
 他にもためになる講演がありました。
 また明日、続きを書きます。

“第61回日本形成外科学会(福岡)①”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    学会お疲れ様です。 眼瞼下垂は本間先生の得意分野ですね。本間先生も赤ちゃんの目の手術をされたことはありますか? 赤ちゃんは大人しくしてないのでどんな麻酔で動かなくするのか聞いてみたいです。確かに赤ちゃんの時から片目が垂れている人がいましたが大きくなってから手術をされたようで左右違和感があります。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。大学病院や大きな病院に勤務していた頃は赤ちゃんの唇裂の手術などをしていました。開業してからは大人の手術だけです。赤ちゃんの手術は全身麻酔です。麻酔を心配する方がいらっしゃいますが、麻酔科の先生がかけてくれるので大丈夫です。沖縄の琉球大学形成外科の清水教授の手術はすばらしかったです。沖縄に行かれる前は慶應大学にいらした素敵な先生です。

  2. なっちゅん より:

    学会お疲れ様です。

    先天性眼瞼下垂、初めて聞きました。
    赤ちゃんの時に手術をした方がいいですよね?
    視界が狭く、転倒などが心配です。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。赤ちゃんの目が開かないのでかわいそうです。(子供さんが)ある程度大きくならないと手術ができないというのが医学界の常識でした。清水教授の手術方法だと今までより早く手術ができます。子供さんの目が開いていてとてもうれしそうでした。今まで見た先天性眼瞼下垂症手術の中で一番いい手術だと感じました。医学の進歩を感じました。

  3. ラズベリー より:

    学会お疲れ様でした。琉球大形成外科の清水先生は実力派の先生のようですね。
    【Recovery】とは【回復】ですが、形成外科の視点から見ますと、【回復】とは働いていた場合は①社会復帰、②生活の質の回復→向上なのかと思います。※②の生活の質は生命の質などとも(QOL=Quality of life(クオリティ オブ ライフ)訳されます。
    腫瘍、外傷や先天異常などで変形、欠損に対して整容面と機能面の回復を外科的治療により施し早期の【社会復帰】や【生活の質の回復】に寄与しているのが【形成外科】の役割と言われています。生産人口の減少が減ってる中、形成外科であったり美容外科の役割(多少立ち位置がが異なる場合あり)も大きいと思います。
    ただ、美容外科、皮膚科などでは合併症などのトラブルや契約トラブルが昨今、件数が多くなっており安易に若くして修行もせず美容外科医になったり他科から転科していきなり美容外科開業してお金儲けというのは危険なことだと言えますね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。形成外科イコール美容外科でありません。私は形成外科が好きです。お金もうけだけ考えているような先生もいますが、そんなに簡単にお金はもうかりません。

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