医学講座

唇裂手術と口腔外科

 昨日の院長日記、
 唇裂の手術法2018
 …の続きです。
 唇裂の手術は、
 医師も歯科医師も手術をすることができます。

 今(2018年10月16日)の日本の法律では、
 歯科医師も唇裂の手術ができます。
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 私の個人的な意見です。
 自分の身内だったら、
 医師免許を持った、
 唇裂手術が上手な先生に手術をしてもらいます
 正確な統計はわかりませんが、
 歯科医師免許の口腔外科の先生が、
 赤ちゃんの唇裂手術をしている施設があります。
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 口腔外科こうくうげか
 …というと、
 医師免許を持ったお医者さんのイメージがありますが、
 歯科医師免許を持った歯医者さんが大部分です。
 まれに、
 歯科医師免許と、
 医師免許を両方持っている先生がいます。
 医師免許だけで、
 歯科医師免許を持たずに、
 口腔外科教授になった先生はお一人だけ知っています。
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 もう少し説明すると、
 歯科医師免許を持った歯科麻酔科の先生が、
 唇裂の赤ちゃんの麻酔を担当できます。
 でも、
 赤ちゃんが肺炎になった時は、
 医師免許を持った小児科医でなければ、
 肺炎の治療はできません。
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 逆に、
 医師免許しか持っていない私でも、
 患者さんの抜歯をしても違法ではありません。
 でも私は絶対に抜歯はしません。
 抜歯をした後に、
 入歯を作ったり歯の治療ができないからです。
 日本の唇顎口蓋裂手術には長い歴史があります。
 歯科医師が活躍した時代もありました。
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 私は今の時代は、
 医師免許を持った形成外科医で、
 唇裂手術が上手な医師が、
 赤ちゃんの手術をするべきだと思います。
 もし自分の身内が唇裂の手術を受けるのだったら、
 医師免許を持った麻酔科医がいて、
 小児科医のいる病院で手術を受けます。
 私の個人的な意見です。

“唇裂手術と口腔外科”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    医師免許資格を保持してる本間先生は
    抜歯が出来るんですね。
    知りませんでした。
    でもその後があるから
    しないというわけですか。

    医師免許を持った麻酔科医がいて、
    小児科医のいる病院で手術。
    なかなか田舎では難しいですね。

    一生の事なので
    本間先生に紹介して頂くのがいいと私は思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私は医師は抜歯をするべきではないという考えです。医師と歯科医師が協力してはじめて上手な唇顎口蓋裂手術ができます。医師は口唇や鼻などの組織を、歯科医師は歯を担当し、仲良く手術をするとすばらしい結果が出ます。

  2. さくらんぼ より:

    大学病院の歯科口腔外科の医師は歯科の免許だけで医師免許を持っていないのがほとんどとは知りませんでした。山大の事件の時形成外科医師は整形外科に属していましたが、その後歯科口腔外科に属しました。形成外科で手術するのが一番なんですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    お忙しいのにコメントをいただきありがとうございます。歯科口腔外科の先生はほぼ100%歯科医師です。ごくまれに歯科医師と医師の両方の免許を持った先生がいます(ダブルタイトルと言います)。山形大学のように形成外科が歯科口腔外科に所属するのは極めて異例です。私は唇顎口蓋裂は医師免許を持った形成外科医で唇裂手術が上手な医師が手術をするのが一番だと思います。自称、唇裂手術が上手な医師でも患側の鼻の穴が小さくなってしまっている形成外科医もいます。唇裂手術は難しいです。

  3. 新米形成外科医 より:

    今年の4月から形成外科の後期研修を開始した3年目の医師です。いつも本間先生の院長日記を読んで勉強させていただいております。院長日記の内容と関係ない話で申し訳ないのですが、本間先生は眼瞼下垂の手術の際、麻酔はどのくらい打たれるのでしょうか?私が現在所属している施設の上司は、片目5ccくらい打ちます。打ちすぎではないのかなと思ったのですが、手術中に痛がられると目の開きの左右差を調節しにくくなるから多めに打っているとのことでした。最小量の麻酔を最小範囲に打つ方が目もよく開き、術後の腫れも少ないと個人的には思うのですが、本間先生はどうお考えでしょうか。企業秘密であれば申し訳ないのですが、何かご回答いただけると嬉しいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントとご質問をいただきありがとうございます。麻酔量が多い先生もいらっしゃいますが、私は両側で少ない患者さんですと3cc程度、多くても両側で5cc程度です。10ccを超えることはまずありません。手術中に痛みがあればその都度少量ずつ追加しています。おっしゃるように『最小量の麻酔を最小範囲に打つ方が目もよく開き、術後の腫れも少ない』と私も思います。いろいろな先生の手術を見ていいところは真似をして、よくないところは自分で考えて改良するのがいいです。きっと上手な先生になれます。がんばってください。

  4. えりー より:

    15年前に歯牙腫というものが歯茎の中に
    あり口腔外科で静脈内鎮静法で手術しました。
    深く考えたことがありませんでしたが
    口腔外科のお医者さまは皆、医師免許が
    あると思っていました。

    乳幼児の時は何かあれば、まず小児科へ
    行っていました。それに加えて
    医師免許をお持ちの形成外科医、麻酔科医。
    本間先生のお考えを教えていただけて
    ありがたいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。口腔外科の先生は歯科医師です。歯科麻酔科の先生も歯科医師です。歯牙腫という歯茎にできたものは歯科医師に手術をしてもらうのが一番いいです。歯に関するものは歯科医師が上手です。口唇や鼻は形成外科医です。

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