医学講座

病院の赤字2019

 昨日の院長日記、
 簿記とITに強くなる
 私は医学部の入試に商業簿記を入れて、
 高校生の時から、
 簿記を勉強すべきだと思います
 入試で商業簿記は無理だとしても、
 医学部の一般教養として、
 簿記を教えるのがいいと思います。
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 昨日の院長日記に、
 ラズベリーさんからいただいたコメントです。
 病院に勤務していると一人一人のコスト意識がかなり重要になります。
 解熱剤等に座薬を使用したり、
 ニトロダームTTSも臨時で使用しますし、
 患者様の寝衣やオムツの契約も取り交わします。
 病院控えの紙一枚が重要なのです。
 紛失させないよう努めなければなりません。
 日々のコストは経営者じゃなくて従業員、
 つまり労働者が行います。
 コストの取り漏れも多いと損失になると賢い経営者は考えます。
 日頃から教育するにしても
 自分自身の知識や意識があるかが非常に重要になってきます。
 簿記を学んでるとコスト意識だけでなく、
 経済・経営的思考が潜在的に身につき強くなるのではないかと私は考えます。

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 ホテルに宿泊して注文をすると、
 必ず伝票がきます。
 病院でさまざまな処置をしても、
 コストを請求しないと、
 病院が赤字になります。
 私が医者になった40年前は、
 すべて手書きの伝票でした。
 4枚複写くらいの伝票に、
 ボールペンで強く字を書いていました。
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 コストの取り漏れを防ぐために、
 オーダリングというシステムができました。
 今は電子カルテです。
 量販店でものを買う時に、
 店員さんがバーコードを読み込むように、
 患者さんのタグと、
 自分のIDを読み込んで、
 それから点滴をつなぐ病院もあります。
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 薬剤を間違って別の患者さんに投与しないようにするという、
 メリットもあります。
 点滴一つするのに、
 いちいち面倒くさいという手間が増えました。
 厚生労働省は医療費を削減するのに必死です。
 大きな病院では、
 いくら薬を使っても、
 まるめと言って、
 患者さんに請求できないシステムができました。
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 それでも病院は赤字になります。
 一つは消費税です。
 ふつうの病院は保険診療です。
 患者さんに消費税はかかりません。
 今年秋に消費税がUPすると、
 病院経営はますます苦しくなります。
 消費税の仕組みで病院が大変だからです。
 消費税と病院経営
 2012年8月11日の院長日記に書いてあります。
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 私は保険診療の病院は、
 海外からの観光客のように、
 免税にするのがいいと思います。
 全部は無理だとしても、
 せめて保険診療で使う薬代は、
 免税がいいと思います。
 そうすると、
 病院経営もかなり楽になります。
 お医者さんはもうかる時代は終わりました。
 私と同年代の大病院の院長先生が
 赤字に苦しまない制度にしてあげたいです。

“病院の赤字2019”へのコメント

  1. えりー より:

    お話しがちょっと違いますが、
    自分が子供の頃よく診ていただいた
    近所のベテラン開業医の先生が手書きで
    カルテを書いていたことを思い出し
    ました。英語?ドイツ語?
    何て書いてあるのだろうと不思議でした。
    今はパソコンを打ってるお医者さまが
    多いですね。本間先生の日記を拝読
    してから病院経営の大変さを知りました。
    それまではお医者さまは皆お金の苦労は
    ないのだと勘違いしていました。
    これから開業医なさる先生は簡単では
    ないかもしれませんが簿記とI Tですね。
    保険診療の薬の免税化、私も先生の
    お考えに賛成です。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。大きな病院が近くにあっても【紹介状】がないと受診できないシステムになり、市立札幌病院は赤字になりました。消費税が10%になるともっと大変になります。抗がん剤など高価な薬剤を購入して患者さんに使うのでどうしても消費税の負担が増えます。消費税を保険診療の薬剤分だけでも【免税】にしてくれると大きな病院の経営は安定すると思います。私が医者になった40年前はカルテは紙でした。年配の先生は紙に万年筆でドイツ語でした。ドイツ語で書かれたが読めないことがありました。日本語で書かれたでも(下手すぎて)読めない先生がいました。

  2. さくらんぼ より:

    病院の経営はよくわからないのですが農家は農業簿記です。昨年は台風などで収入が減り支出が変わらず赤字決算にりなりそうです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。昨年の台風被害はほんとうに大変でした。何もお力になれず申し訳ありませんでした。どんなに科学が進歩しても台風の進路は変えられそうにないです。今年は豊作になることを北海道から祈っています。

  3. なっちゅん より:

    オーダーリングとは
    手につけるリングのことですか?

    私はあれに肌がまけてしまい
    ダメでした。
    ゆるゆるにつけ直して貰いました。

    病院の赤字は大変なものなのですね。

    免税いい案ですね。
    流石は本間先生です。
    そうすれば助かりますね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。説明不足で申し訳ありません。オーダリングというシステムは紙の伝票に書いていた指示を、パソコンから入力するシステムのことです。【オーダー】を出すシステムです。電子カルテの前に登場しました。処方箋も紙からPCで入力するシステムになりました。これだけでも大変でした。キーボードに触ったことがない先生は薬を処方できず、病院内にオーダリングの練習のために部屋を作って入力の練習をしていたことがありました。今の若い先生たちはPCの入力は得意だと思います。

  4. ラズベリー より:

    私のコメントにコメント頂き、掲載ありがとうございます。先生は経営者として様々な事に直面(税など)されてきた中で税理士さんや会計士もいらっしゃるけど簿記という基礎が大事で学びたいというのを書かれた事がありました。64歳でも学ぼうという意欲が凄いです。会計士、コンサルタント、税理士いるからとか言ってもその会社が出す資料に対してお仕事をされるため全て正しいとは限らないからなのです。
    昨日朝、コスト意識やコストの取り漏れ注意について書きました。法人の場合は【領収書】をとにかく集める事です。税理士や会計士など顧問がいれば後は仕分け依頼されるといいと思います。簿記がわかり貸借対照表と損益計算書を日頃から作成活用していれば見えてくるものが沢山あります。
    簿記以外に病院で大事なのが2年に一度の診療報酬改訂です。ルールが基本決まっています。経過措置や例外規定もありますが遵守しないとレセプトではじかれたり返戻もあると聞きます。取り漏れがあると大損失です。レセプトを扱ったり、またチェックをかける方の知識や資格、経験がどれだけあるか非常に重要になってもきます。医師が各々知識を深めていくのは勿論ですがレセプト上、請求困難な病名等について請求がこれでははじかれると適正な助言ができる方がいるかどうかもポイントの一つになると思います。
    加算が取れる要件というのもありますがその要件を正しく満たしているかとか不正はないか、逆に本来は加算が取れるはずなのに申請していなかったというのもないようにしておくことが肝要です。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。ラズベリーさんはすばらしいですね。私でも診療報酬改定にはついて行けません。自分が専門とする形成外科だけでも大変です。これからの病院経営にはラズベリーさんのような方が必要です。ありがとうございました。

  5. ラズベリー より:

    オーダリングシステムの話です。コストの取り漏れ、簡略化、可視化、医療安全の観点からも字が見やすい、実施漏れ防止などメリットも大きいと言われています。
    一方で一日何度も注射処方箋が変更されたり変更前のを中止にしていないことでミスが生じるリスクがあります。
    予測変換機能により類似名で別の薬が出されたり用量が違う量がいくのも入力ならではのミスも有り得るのかなっと思ったりします。
    パーキンソン病の患者でドバストンを使用の注射処方箋指示書に生食100ml+ドバストン(25mg)4A混注で点滴静脈注射の指示が書かれていた。若い当直のバイトの先生でしたが、私は3つの【※cusカス】があり、先生に4Aも入れて大丈夫ですか?と伺いました。内服が出来ないので4A入れて大丈夫ですと返答がありました。私はそうですか…と返答しました。
    ※1:Concerned(気になる)、2:Uncomfortable(不安です)、3:Safety issue(安全の問題) 1~3の頭文字からcusをとってカスと言いチームステップスの一例で医療安全上大事な心がけと言われています。
    先生がいなくなったあと3つのcusがあり今日の治療薬を手に取りドバストンの用法用量を確認してインターネットでも確認し当直医に確認しました。しかし4Aを一回でいくようにと指示を受けました。それでも私はまだやれませんでした。やらずに20分位、経過したとき焦った様子で当直医師が降りてきて「ありがとう、やっぱり4Aは多過ぎだった。調べたら1Aから2Aまでだった、意識状態もまだ安定してないから1Aに変更してくれる?もう点滴しちゃった?」と話があった時、
    施行せずに待って良かったと思いました。過剰投与すれば意識レベルが更に下がる可能性が脳裏によぎり出来なかったのです。私は3つのcusに対し2チャレンジルールをやって、それがきっかけというか刺激になり当直医師が間違いかも?と自分のスマホでドバストンを検索してくれたのです(感謝)。良かったと思いました。結果、ドバストン1A+生食100mlになり患者はの生命が守られ、当直医師も私も病院も守られたことになったと思いますし、レセプト請求でもセーフだと思います。知識、経験も多方面に必要だと感じた瞬間でした。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。すばらしいお話しです。私も看護師さんに助けていただいたことは何度もあります。当直医がねぼけて出した指示でもちゃんと調べてくださる看護師さんはすばらしいです。ありがとうございました。当直医の代わりに私が御礼を申し上げます。看護師は高度の知識と技術が必要なすばらしい専門職です。

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