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開業時の苦労

 3年前に開業した時に苦労したのが、人事・労務管理といわれる、ヒューマン・リソース・マネージメント(HRM)でした。
 最近のビジネス英語会話で、杉田先生が取り上げていらっしゃいました。いわゆるHR(エイチアール)です。
 今まで、25年近くも勤務医を続けてきて、雇われる側だった医師が、突然、雇用主になりました。労働基準法にも労働基準監督署も縁がありませんでした。
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 まず、人を雇用する時には労働条件を明示しなくてはいけません。普通の人には当たり前のことですが、私は労働契約書なんてのは見たこともなかったですし、一度も署名捺印をしたことはありませんでした。
 人事は大学の医局か教授が決めて、そのまま赴任というパターンでした。ハローワークにも行ったことがないし、どこにあるかも知りませんでした。
 雇用保険もいただいたことはありません。私の知人の先生でも雇用保険をもらったという話しは聞いたことがありません。
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 私の先輩や知人が開業して、一番もめて苦労していたのが、この労働問題でした。
 自分自身は有給休暇を取ったことがなくても、従業員から請求があった時には与えなくてはなりません。
 医師は労働組合に入ったこともなく、労使問題にも疎い(ウトイ)ので、問題が起きることが多いようです。
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 私は専門家にお願いしました。北海道医師協同組合に田中猛先生という社会保険労務士さんがいらっしゃいます。
 以前から、保険関係をお願いしていたので、就業規則を作成していただきました。
 田中先生は、病院や医院の労務管理に詳しく、たくさんの事例をご存知です。私が失敗する前に、適切に助言をしていただきました。
 また、とても真面目で几帳面な性格の方です。私を社会保険労務士にしたようなタイプだと思います。
 田中先生はご自身でブログも書いていらっしゃいます。
 これから開業をお考えの先生には、北海道医師協同組合をお薦めします。DLSという会社が医師協同組合に併設されており、こちらでいろいろな相談や手続きができます。
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 医業はサービス業なので、まずよい人を雇用しないと、快適でよいサービスは提供できません。
 大手美容外科の雇われ院長だった時は、一番遅くに出勤して、一番最初に『お疲れ様でした』と見送られて帰宅していました。
 キレイなお姉さんに『先生、お疲れ様でした』と見送られるのは、とても気分がよかったです。
 開業してからは、私が一番最初に出勤して、一番最後に戸締りをして帰宅します。
 『お疲れ様でした。ありがとうございました』と言うのが私になりました。開業医になり、経営者になったのだから当然だと思っています。
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 正直な話し、お給料は雇われ院長の時の方が、今よりずっとずっとよかったです。拘束時間もずっと短かったです。
 自分で開業して変わったのは、手術をしなくてもよい人には手術をすすめなくてもよくなったこと。他の病院も気軽に紹介できるようになったこと。手術料金が安くなったことなどです。
 自分の夢とロマンを実現できることが、開業する一番のメリットだと思います。

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