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司法試験合格年3000人

 平成19年10月20日、朝日新聞朝刊の記事です。
司法試験合格年3000人計画 弁護士会から反対続々
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 司法試験の合格者を年間3千人に増やす政府の基本計画について、中部弁護士会連合会(1568人)は19日の定期大会で、「弁護士制度の変質を招く」として反対する決議を可決した。
 全国8ブロックにある弁護士会連合会による反発の動きは、先週の中国地方弁護士連合会(733人)に続き2例目。司法をより身近にし、弁護士偏在の解消への期待もかかる法曹人□増に対し、競争激化や人材の質の低下を懸念する弁護士の声が相次いで表面化した形だ。
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 決議は「弁護士数の急激かつ大幅な増加は、弁護士界に深刻な事態を引き起こしている」とし、日本弁護士連合会に増員計画の見直しを政府や国民に訴えるよう求めている。拘束力はない。
 定期大会には計212人が出席。「すでに新人弁護士の就職難の状況が出ている。過当競争で倫理が低下し、公共的な活動をなおざりにするなどの弊害が出れば、我々のみならず国民にとっても不幸だ」と提案理由が説明された。
 討論では決議について「『業界利益を守るうとしている』と見られる」「競争すれば質は向上するはず」との反対意見も出た。賛成162人、反対29人(留保・棄権21人)で可決した。
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 中国弁連は12日に「司法試験の合格者数を適正水準まで削減するよう求める議題」を採択。賛成134人、反対64人だった。
 埼玉弁護士会は12月の定期人会に同趣旨の議案を提出する予定だ。千葉県弁護士会も17日の常議員会で「弁護士増員問題対策本部」を設置する決議を採択した。
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 司法試験合格者は65~90年は年間500人前後、99年は1千人。政府の司法制度改革審議会は2001年の最終意見書で「2010年ころに年間合格者3千人」の目標を打ち出した。
 日弁遮の藤井伊久雄副会長は「決議は重く受け止めている。3千人の基本方針に沿ったうえで、指摘されている問題について検証を行いたい」と話している。(花野雄太)。
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 同日の社会面には関連した記事が掲載されていました。
 法曹人口増就職難など懸念噴出「業界のエゴ」批判の声も
 法律家の数を増やす政府の計画に反対する動きが相次いで表面化し始めた。司法制度改革に携わった弁護士らからは批判も出ている。
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 日本弁護士連合会は2000年の臨時総会で「3千人」を認める決議案を賛成多数で採択したが、当時から会内には不満や不安がくすぶっていた。いま反対の決議が相次ぐのは、需要増が見込まれていた自治体や企業による雇用が進まないうえ、司法研修所の卒業試験で史上最多の不合格者が出て「質の低下」が話題に上るようになるなど、当初の懸念が顕在化し始めたことが背景にある。
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 見直し論は政府与党内にも浮上している。鳩山法相は[毎年3千人は多すぎる」と主張。自民党司法制度調査会も16日、小委員会で見直しの検討をすることを決めた。臼井日出男・調査会長は「増やす、増やすで来たが、量と質の問題として考え直す時期だ」と話す。
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 こうした流れに対して、司法制度改革に携わった弁護士を中心に「業界のエゴだ」と批判する声も強まっている。ある弁護士は「はしごを外されるような議論だ。社会の隅々まで市民の法的二ーズを満たすという目標を捨てて『就職難だから減らせ』ということが国民の理解を得られるとは思えない」と話す。(市川美亜子)
  (以上、朝日新聞より引用)
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 医者も弁護士も、社会的な地位が高く、人の役に立つ安定した職業と見られてきました。
 現在、医師不足が叫ばれていますが、私が医師を志した30年前には、将来は医師過剰時代になると言われていました。
 今の医師不足は、厚生行政が招いた‘人災’であり、医師が偏在しているだけだと私は考えます。
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 私は、司法試験は難しくするべきで、安易に弁護士の数を増やすべきではないと考えます。
 米国を見ると、すぐに何でも裁判です。お金になりそうな裁判にだけ飛びつく弁護士もいるそうです。
 弁護士の安売りはいただけません。やはり、弁護士は人物・知識・経験がすべて揃っている方になっていただきたいと思います。
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 医師不足だからといって、医師を促成栽培で大量生産しても医療はよくなりません。
 弁護士を一挙に何倍も大量生産すると、訴訟だけが増えて、世の中が険悪になりそうです。
 試験を容易にして、誰にでも運転免許を与えると交通事故が増えます。いたずらに弁護士を増やすと冤罪や不要の裁判が増えそうです。

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