まぶたが下がってものが見にくい病気を眼瞼下垂(がんけんかすい)といいます。 生まれつきまぶたを開く力が弱い方がいます。先天性眼瞼下垂といいます。生まれた時は正常でもさまざまな原因で眼瞼下垂になることがあります。これを後天性眼瞼下垂といいます。
眼瞼下垂症では
- 二重の幅が変化する(一重が二重になる、二重の幅が広くなる)
- 目の上が陥凹する
- 三白眼(眼球の下の白目が見える)になる
- いつも眉毛をあげている
- いつも顎を上げている
などの変化がでてきます。
自覚症状としては
- まぶたが重い
- 夕方になるとまぶたが開かない
- 目の奥が痛い(眼瞼挙筋を余計に収縮させているため)
- 肩凝り、片頭痛なども起こります
眼瞼下垂症は程度の差はあれ、年齢とともに起こるので老人の眼瞼下垂を老人性眼瞼下垂症とも呼びます。
20代の若年者でも、アトピーや花粉症でまぶたを擦る習慣がある人は、眼瞼下垂症になることがあります。コンタクトレンズ(特にハードコンタクト)でまぶたを開く筋肉が弱くなり眼瞼下垂になることがあります。 黒目がかくれてものが見えないと視力が落ちるので子供でも手術が必要なことがあります。
ものが見にくく、まぶたが下がっているために肩こりや頭痛が強い方は病気として保険が使えます。(美容目的の手術には保険が使えません。)
先天性眼瞼下垂

手術前の状態です。若いのに慢性的な肩こりがあり、ものが見にくいという症状があります。黒目の上半分がかくれています。保険適応で手術可能です。

手術直後の状態です。手術用顕微鏡を使い眼瞼挙筋の手術を行いました。キズの長さは約10mmです。

手術5日後の状態です。少し腫れがありますが、メガネをかけて通院できます。

手術3週間後の状態です。腫れは落ち着いています。

手術5ヵ月後の状態です。

手術5ヶ月後です。キズはわずかにありますが近くで見ても目立ちません。
先天性眼瞼下垂2

手術前です。黒目の上半分がかくれています。保険適応で手術可能です。

手術直後。手術用顕微鏡を使い眼瞼挙筋の手術を行いました。

手術1週間後の状態です。腫れがあります。安静を守っていただきました。

手術3週間後です。腫れは落ち着きました。目はよく開いています。
後天性眼瞼下垂

手術前の状態です。慢性的な肩こりがあり、ものが見にくいという症状があります。黒目の上半分がかくれています。保険適応で手術可能です。

手術直後の状態です。手術用顕微鏡を使い眼瞼挙筋の手術を行いました。

手術1週間後の状態です。

手術1ヶ月後です。キズはありますが腫れは軽度で仕事に復帰されています。
後天性眼瞼下垂2

手術前の状態です。目を開くことができません。重度の眼瞼下垂症です。保険適応で手術可能です。

手術後1ヵ月の状態です。目が開くようになりました。

手術4ヶ月後の状態です。

手術6ヶ月後です。目が開くようになり再発もありません。
後天性眼瞼下垂3

手術前。重度の眼瞼下垂症です。
保険適応で手術可能です。

切除する皮膚です

手術直後の状態です。

手術1週間後です。

手術1ヵ月後

手術3年後です。
顔面神経麻痺による下垂

手術前の状態です。左顔面神経麻痺により目を開くことができません。顔面神経麻痺静的手術の適応です。保険適応で手術可能です。

初回手術後10ヵ月の状態です。右目の眼瞼下垂症手術もしています。複数回の手術で左右対称になりました。
コンタクトレンズによる眼瞼下垂【右のみ】

手術前の状態です。ケガをしたので、右目にだけ、コンタクトレンズを20年近く使用していました。右だけの眼瞼下垂症です。保険適応で手術可能です。

手術直後です。右のまぶたを約10㎜切開し、眼瞼挙筋という筋肉を調節しました。左目は手術をしていません。右目は少し開きすぎる程度に調節します。

手術直後の状態です。まぶたを閉じた状態です。右目に約10㎜のキズがあります。手術後は目を冷やして安静にしていただきます。出血はほぼゼロです。

手術1週間後の状態です。腫れは落ち着いています。左右差も気にならない程度になっています。抜糸する直前です。

手術4ヶ月後です。目の左右差も気になりません。症状の再発もありません。

手術4ヶ月後です。下を向いたところです。キズは近くで見てもわかりません。
後天性眼瞼下垂(加齢による眼瞼下垂)

手術前の状態です。視界がせまくものが見にくいという症状があります。車の運転をする時に目を見開くため肩がこり疲れます。保険適応で手術可能です。

余った皮膚を切除し、まぶたを開ける筋肉を調節します。

手術直後の状態です。まぶたの皮膚を切除していますので目を冷やして安静にする必要があります。

手術1週間後の状態です。腫れは落ち着いています。抜糸する直前です。

手術3週間後の状態です。腫れは落ち着いています。目を閉じると若干の赤味があります。

手術1年3ヶ月後です。キズは近くで見てもわかりません。症状の再発もありません。
後天性眼瞼下垂(コンタクトレンズによる眼瞼下垂)

手術前の状態です。ハードコンタクトレンズを30年以上使用されています。特に左まぶたが開きにくく視界が狭くなっています。保険適応で手術可能です。

皮膚を切除し、まぶたを開ける筋肉を調節します。

手術直後の状態です。まぶたの皮膚を切除し眼瞼挙筋という筋肉を調節しました。手術後は目を冷やして安静にします。

手術5日後の状態です。腫れはありますが眼鏡をかけて日常生活には支障がありません。抜糸する直前です。

手術3週間後の状態です。目が開けやすくなり視界がとても広がりました。

手術1年6ヶ月後です。キズは近くで見てもわかりません。症状の再発もありません。
眼瞼下垂手術によるメリット
- [機能面]
- 眼瞼下垂の手術により眼が開きやすくなるため物が見やすくなります。また,見やすくなるため目が疲れにくくなります。
- [見た目]
- 形成外科で眼瞼下垂の手術をすると機能面だけではなく見た目も改善されます。眼瞼下垂がなく二重だけが希望の方は保険適応にはなりません。
- [肩こり]
- まぶたが下がっているためおでこに力を入れ眉を上げて物を見ます。そのため眼瞼下垂がある方は肩こりになりやすいのです。手術で肩こりが治ったという人が多くいらっしゃいます。