昔の記憶
入退院板（ばん）の想い出
私が北大形成外科の
チーフレジデントをしていた、
約25年前の想い出です。
レジデントと呼ばれる研修医の最後が、
チーフレジデントでした。
病棟チーフという役割です。
北大形成外科病棟の責任者をしました。
病棟の入退院管理と
入院患者さんの担当責任者です。
■ ■
病棟チーフは
入退院板（にゅうたいいんばん）という…
B4程度の大きな紙を持っていました。
この入退院板には…
病棟の全患者さんの…
入院予定日や、
退院予定日が記入されていました。
大至急入院が必要な患者さんは、
病棟チーフへ伝えられ…
入他院板に記入しました。
■ ■
『板（ばん）にのせる』という言葉がありました。
病室が空いたら、
一番先に優先的に入院させることを指しました。
悪性黒色腫などの癌患者さんで、
大至急入院が必要なので、
最優先で入院させてくださいという意味です。
現、市立札幌病院病院長の吉田哲憲先生は、
皮膚悪性腫瘍の権威です。
北大時代には、
吉田先生の患者さんがたくさんいらっしゃいました。
■ ■
外来から病棟へ電話があります。
本間先生、ごめんね。
今、いい？
メラノーマの○○さん、
具合が悪くていらしるんだけど…
板（ばん）にのせてもらえる？
こんな感じで、穏やかな先生でした。
病棟チーフは病棟婦長やリーダーと相談して、
病室をやりくりして入院を決めました。
■ ■
私の時代はすべてアナログで、
入院申し込みも紙の複写でした。
病棟チーフは、
ボックスと呼ばれた、
入院予定患者さんのカルテを入れた、
プラスチックの箱と
この入退院板を持ち歩いていました。
スタッフの出張予定や…
手術予定を見ながら…
どの患者さんをいつ入院させて、
いつ手術を組むかを決めるのは…
なかなか大変な仕事でした。
■ ■
私たちは、
このチーフレジデントを６ヶ月間担当しました。
その後に…
形成外科認定医（今は専門医）を取得し、
地方病院の形成外科医長として赴任しました。
病棟チーフの間はアルバイトも制限され、
収入も少なくなり大変でしたが、
今から思うとよい想い出です。
電子カルテの時代になって、
入退院板があるかどうか…？
私は知りませんが、
PCにはできない…
よいものがあったと懐かしく思います。
今はどうなんでしょうね？？？
私の通院する病院は電子カルテですべて管理されているようですが、急な外来患者さんの入院はドクターがPHSで「空いてる？」と電話してますね。そう言えば・・・
チーフは入退院の管理からスケジュール、オペに関するすべて、いろいろな管理をやりくりが大変なんですね。
武藤先生のブログにもチーフの苦悩が書かれていましたね・・・
一人前の医師になるのは技術だけでなく、事務的な作業も必要不可欠なわけですね（笑）
外来から電話が来て、師長やその代理がベッドがいつから空くとか相談したり、
先生と師長とが、相談して決めている事もありました。
ノートやホワイトボードに記入されているのを見て、何日に入院が入るんだと思うと同時に、今いる人が退院したり部屋を移動されるのかなって思ったり。
緊急入院の場合もあり、直接先生より、病棟に電話が入って、状態が悪いから空いてる個室で、ということもありました。
見やすく、ステーションのナースコールの受け取る患者名が入る所に空床の場合は「空」や「予約あり」とか青字などで記入するようになっていてわかりやすくしていました（病院や病棟によって違う事あり）
ＰＣにはない人が書いた字はぬくもりがありますね。字には表情と言いますか、なんとも言えない味がありますね。
そうですね。ＰＣひとつだと 先生同士の そういったやりとりもなくなりますものね。 そういったスケジュールを決めるのも 研修医だとは初めてしりました。以前何回か話ましたが、脊髄腫瘍の手術の時 日程が３回変わりました。一回目は 急患が先に手術になり術日を一週間延ばしてください。二回目は○日入院して手術は○日です。三回目は 急ですが 明日入院してください。でした。 急患で 手術日が伸びた時は 一番 気持ちを手術で頑張るぞと 高めていたので 、一週間後はつらかったですが、執刀医以外の まだ見た事もない先生だったので それに 私の自宅の電話はナンバーディスプレーになっていたので 一回一回 違う番号だったので いたずらだと思い 山大の整形外科にそんな先生がいらっしゃるのかとか 私の手術日、入院日は間違いないのか 不安になり 確かめたほどでした。 今 本間先生のブログで初めて あ〜 。そうだったんだ。と わかりました。 そんな 苦労をされてやりくりされていたとは知らず 不審者と思い 疑ってしまい申し訳ございませんでした。