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医学部の教育
私もかつて医科大学の教員をしておりました。一般の方があまりご存じない医学部の教育について解説いたします。現在の日本の医学教育では内科、外科、産婦人科など国家試験に必要な科目をすべて勉強します。これは日本国中どこの医学部でも医科大学でも同じです。6年間に学ぶ量は膨大なものになります。順調に卒業できると6年間で医師国家試験受験資格が得られます。 自動車学校でいうと卒業検定を受ける資格を得るわけです。自動車学校と違うのは医師国家試験に合格するまでは仮免許で運転もできないのです。ですから国家試験に合格するまでは実際に患者さんを縫合することはありません。せいぜいできて動物実験で実験動物を縫う程度ですが、これも必須科目ではありません。医師免許を取得しても最初からキズをキレイに縫える研修医は皆無に等しいのです。 有名大学を出たからといって手術が上手だとも限りません。研修医になっても、すぐには手術で縫わせてもらえません。どんな患者さんでも若い研修医に縫われるのはイヤですね。研修医は指導医について、手取り足取り血の止め方から糸の結び方までを習います。最初は何もできないのが普通です。 上手で面倒見が良い指導医につかないと上手にはなれません。職人芸の世界です。どこの大学を卒業したかより、どこで誰にどんな手術を習ったかでその先生が上手になれるかどうか決まります。残念なことですが、しっかりしたトレーニングも受けずにお金儲けのためだけに美容外科を選んだ先生もいらっしゃいます。くれぐれも医師を選ぶ時に気をつけてください。