医学講座
舌小帯の手術
昨日の日記にappleさんからコメントをいただきました。
舌小帯のオペはそれ以外に、
口腔(こうくう)外科でも可能なはずですが、
どこの科で手術を受けるかによって
微妙に料金が変わりそうですよね?
でもきちんとした判断と診断ができて、
上手に行ってくれるのがなによりも1番ですが。
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確かに口腔外科でも、
耳鼻科でも手術は行っています。
口腔外科の先生は、
大部分が‘歯科医師’の先生で、
ごく一部の先生が‘歯科医師’と‘医師’の
両方の免許を持っていらっしゃいます。
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今の日本の法律では、
歯科医師が舌小帯の手術を、
歯科医師の先生に全身麻酔をかけていただき、
手術をしても違法ではありません。
実際に歯科医師でも、
‘医師’よりも
舌小帯の手術が
上手な先生がいらっしゃいます。
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昔の舌小帯の手術は、
泣き叫ぶ子どもを押さえつけて、
舌の下をチョンと切る手術でした。
ちょっと切ればいいから…と
お考えになっていらっしゃる先生がまだいます。
厚生労働省が定めた、
医科点数表という料金表でも
それがよくわかります。
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K419_頬、口唇、舌小帯形成手術_450点
という手術点数と
K418-2_舌繋瘢痕性短縮矯正術_2,650点
という2つの料金があります。
ふつうの人は、
舌小帯短縮症の手術は、
舌小帯形成手術だと考えます。
料金は4,500円です。
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4,500円の手術はチョンと切るだけです。
泣き叫んで暴れている子どもを
押さえつけてする手術でしたら、
切ったところを縫うことはできません。
そうすると、手術をしても治らないことがあります。
もう一つの舌繋瘢痕性短縮矯正術は
Z形成術(ぜっとけいせいじゅつ)のことです。
こちらは26,500円です。
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この手術は全身麻酔で、
舌がくっついている部分を切り、
さらに拘縮(こうしゅく)といって、
スジになっている部分を治します。
切ったところの周囲に切れ目を入れて
縫い目がZ型になるように縫い上げます。
こうすると手術をした後で、
再びくっついてしまうことを防ぎます。
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舌の下には、
舌下腺があります。
その開口部もあります。
その辺のことをしっかり知らなければ
手術は形成外科医でも難しいのです。
チョンと切る簡単な手術では、
手術をしても…
十分に舌が伸びないことがあります。
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さくらんぼさんからご質問をいただきました。
残念なことに、私は手術を受けていません。
私の舌はW型にはなっていません。
小学校の時には放送部員だったこともあります。
教科書の朗読でも、
国語の時間に叱られたことはありません。
朝日新聞に出ていた耳鼻科の先生によると…
私は手術適応がないことになります。
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私は自分に時間があれば、
手術を受けてみたいと思っています。
それは長時間話したり、
学会の準備をしていると、
舌が疲れるからです。
この手術を受けた私の子どもは、
舌が十分に伸びています。
私は子どもの手術をして
よかったと思っています。
実際にはこのブログを見た方や昨日のブログにあった記事を読んだりしなければ気がつかなくて・・・という方も多いのではないでしょうか?
実際に私もこのような病気があることを知りませんでしたし、実際に見てわかるのかな?と思います。
でもこのように手術をしてよかったと思われる方も多いと思うのでこのブログを見て発見されたりして治療され良くなる方が増えるといいですね。
私も そのような病気があるとは知りませんでした。普通は気付くでしょうか?
先生の子供さんは 先生が手術されたおかげで 発音とかで悩まなくてよかったですね。そんな 検診もないし 普通のお母さんが見てわが子の舌の異常に気付くでしょうか?赤ちゃんの頃 肛門形成や耳 などの 手術をされた方は近くにいるのでわかりましたが。。( その頃 形成外科を私は知らなかったので どこで 手術したか聞きませんでした)
形成外科は奥が深い科だなあと思いました。