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講義の準備

 今日から3週間にわたり3回の講義をしています。5年前に大学をクビになるまでは、4年間講義を担当しました。
 予備校や普通の大学の先生は授業をするのが仕事で、毎日講義をなさっていらしゃいます。
 医科大学や医学部の教員は、毎日の講義がない代わりに、診療をしながら講義や臨床実習を行います。
 人にものを教えるのは、かなり大変な作業で、資料を一つ作るのにも時間がかかります。
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 どんなに優秀な学生さんを相手にしても、講義内容が退屈だと居眠りをされてしまいます。
 米国の学会に参加すると、セミナーでは、
・講義の内容はよく理解できたか?
・話し方のスピードは適切だったか?
・資料は準備されていたか?
・資料の内容は適切だったか?
・講師に熱意は感じられたか?。
などのアンケート用紙が配られ最後に採点されます。
 日本でも学生側から評価する制度を取り入れている大学があるようです。
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 ‘撃墜王’とか‘鬼’とか呼ばれる教官がいます。厳しく学生を採点し、一学年の10%も再試験になると聞いたことがあります。
 教員にとって、再試験をすることは、それだけ手間も時間もかかります。再試験を何回したところで、その教員の評価にはつながりません。
 教員の評価は、英文論文を何篇書いたかが客観的な評価対象となります。
 厳しい先生は、それだけ教育にかける熱意があると考えてください。
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 私の講義は、形成外科という認知度が低い診療科目を、少しでも知ってもらいたいという思いで行っています。
 私が札幌医大6年生の時に、大浦武彦教授と濱本淳二助教授のお二人の先生が北大形成外科から特別講義にいらしてくださいました。
 私はその講義をお聞きして、形成外科を志すようになりました。
 大浦武彦先生は、現在も褥瘡(ジョクソウ)治療のパイオニアとして、日本中を駆け巡りながら講演をなさっていらっしゃいます。
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 講義のすごいところは、一度に数十人の学生さんに私の思いを伝えられることです。
 私が予備校時代に生物を教わった矢野雋輔先生の声は、35年も経った今でも私の脳裏に焼きついています。
 昨年の日記に矢野先生のことを書いたところ、ご親切に数年前にお亡くなりになったと、知らせてくださった方がいらっしゃいました。
 とても残念なことですが、先生が亡くなられても私の記憶の中には鮮明に残っています。
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 私は、私が死んだ後に一人でも私のことを覚えていてくれて、『形成外科ってすげー』という感動を伝えたいと願っています。
 3時間以上もかけて作り直したプリントとパワーポイントのファイルを持参して講義に行きました。
 2名ほど講義の最中に居眠りしている人がいました。
 残りの学生さんは熱心に聴いてくれました。あと2回頑張って講義に行きます。

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