院長の休日

副操縦士が意図的に墜落させた

 平成27年3月27日、朝日新聞朝刊の記事です。
 操縦室、外から開かず 独機墜落
 副操縦士が閉め出す 9・11後、安全対策強化
 検察当局が3月26日、独ジャーマンウィングス機の墜落事故について、副操縦士が意図的に墜落させたとみられると発表した。機長を操縦室(コックピット)から閉め出し、機体を急降下させた模様だ。2001年の米同時多発テロ以降に操縦室に外から入れないように強化された安全対策が、悪用されたおそれがある。事故機でいったい何が起こったのか。
 コックピットへの出入りは、2001年の米同時多発テロを機に、世界的に厳しく制限されるようになった。日本の国土交通省によると、60席超の旅客機では2003年11月から、銃弾が貫通しない強化ドアの装備が義務づけられている。
 1999年7月に全日空機が男にハイジャックされ、機長が殺害された事件では、コックピットから閉め出された副操縦士らが体当たりしてドアを破り、ハイジャック犯を取り押さえた。しかし現在、ドアはコックピット内からしか開けられないのが原則だ。
 元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんは、ドアを外から開ける手段は「聞いたことがない」とし、「コックピットの外に閉め出された操縦士が戻れなければ、墜落を避けるのは難しい」と話す。
 仏検察当局によると、事故機の副操縦士は機長をコックピットから閉め出したままにし、機体を急降下させた。米CNNによると、コックピット内にいる操縦士がドアをロックした状態にし続ければ、外から入ることはできないという。
 意図的に閉め出さなくても、コックピットに残った操縦士が意識を失うような事態も考えられる。小林さんは「同時多発テロ以降、セキュリティー面をより重視するようになった一方、操縦士が飛行の安全を脅かすような状況は想定外だった。航空界は安全対策を見直す必要があるのではないか」と指摘する。(永田工)
 ■墜落の経緯(仏検察の発表要旨)
 仏検察当局が3月26日に発表した独ジャーマンウィングス機の墜落の経緯(要旨)は、次の通り。
◇ボイスレコーダーの(墜落までの)最後の30分間の記録を入手した。最初20分間は(機長と副操縦士の)2人のパイロットの会話は極めてふつうで、ていねいなやりとりがなされていた。
 その後、機長が独デュッセルドルフの空港への着陸のアナウンスの準備をはじめ、副操縦士が返事をした。機長は操縦を代わるよう求め、椅子が動く音、ドアが閉まる音が聞こえた。自然の摂理にしたがった行動(トイレ)だと思われる。
 副操縦士が1人になると、フライト・モニタリング・システムを操作した。機体を降下させるためだ。意図的だとしか考えられない。
 機長は、(コックピットに戻るため)インターホンを使って入室させるよう求めている。だが返答はない。ドアを開けるようノックしているが同じだった。
 操縦室ではふつうの呼吸音が聞こえ、衝突の瞬間まで続いた。副操縦士が生きていたことを示している。マルセイユの管制塔の呼びかけが聞き取れるが、ここでも返答はない。地面が近づいていることを知らせる警告音がなった。ドアを激しく打つ音が聞こえた。
 急斜面に機体がぶつかる音が残っている。斜面をすべるような形になり、機体は時速700キロで山に突っ込んだ。緊急事態を告げるメッセージは出ていなかった。副操縦士は一言もしゃべっていない。
 墜落から48時間しかたっていない時点での解釈だが、副操縦士は意図的にコックピットのドアを開けるのを拒み、高度を下げるボタンを作動させた可能性が高い。航空機を破壊する意図があったと解釈できる。
 犠牲者は最後の瞬間まで事態をのみ込めていなかったと思う。衝突の直前に叫び声があがったのが記録されている。
 (報道陣からの「自殺か」との問いに対して)自殺は1人でするものであって、150人の命に責任を持っている人物に対し、私は自殺という言葉は使わない
 (セーヌレザルプ〈仏南東部〉=青田秀樹)

 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 衝撃的な結果です。
 まだ捜査中とはいえ、
 自殺は1人でするものであって、
 150人の命に責任を持っている人物に対し、
 私は自殺という言葉は使わない

 とても残念な結果です。
      ■         ■
 私たちは自殺者の治療もします。
 救命救急センターへ搬送される方の中には、
 自ら命を絶った人もいます。
 自殺した患者さんでも、
 私たちには救命する義務があります。
 中には、
 自殺の巻き添えもあります。
 高所から飛び降りて、
 下にいた人が負傷する場合です。
      ■         ■
 交通事故にも、
 ある程度の割合で自殺が含まれます。
 私が治療した患者さんの中にも、
 自殺しようとした交通事故がありました。
 仏検察の発表にあるように、
 操縦士が自殺目的で、
 航空機を墜落させたなら、
 それは自殺ではありません。
      ■         ■
 この事故をきっかけとして、
 操縦士が一人でコックピットに残ることは、
 世界中で無くなると思います。
 今朝のTVで、
 日本の航空会社は、
 操縦士が外へ出る時は、
 CAを一名コックピットに入れるようにしていると聞きました。
 どうしたらこの事故?事件?を防ぐことができたのか?
 犠牲者のご冥福をお祈りしています。
20150327

(以上、朝日新聞より引用)

“副操縦士が意図的に墜落させた”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    日本人二人も犠牲になられご冥福をお祈りいたします。 副操縦士は うつ 病だったとも書いてありましたが、私はテロだとおもいました。なんとか防げなかったのか、今後このような事故が起きないことを願います。

  2. なっちゅん より:

    例えば子供を置いてけなく、道連れにし自殺した母親も犯人として罪になると聞いたことがあります。
    ご冥福をお祈りいたします。

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