医学講座

キズは残りますか?

 美容外科よりも形成外科でよく患者様から尋ねられたのが「キズが残るかどうかです」。残念ですがキズはどんなに丁寧に縫合しても残ります。問題なのはキズが目立つかどうかです。手術をした私が見てもどこにキズがあるかわからない位、キレイになる方もいらっしゃいます。これならキズは残りませんと言ってもよい位ですが厳密にはキズは残っています。
 キズが残るかどうかは、手術した部位、患者様の年齢、遺伝的な体質、喫煙の有無、手術後の安静やケアーなどによって決まります。形成外科医は安易に「キズは残らないのでご安心下さい。」とは申しません。「絶対にキズは残りません。」と言うのはウソが上手な先生か素人の先生です。
 美容外科医も神様ではないので絶対にキズを残さずに手術はできません。手品と同じようにタネもしかけもあります。たとえば二重切開をする時は二重の線に合わせて切るので目を開けている時は目立ちません。鼻を高くする手術は鼻の中を切るので見えません。フェイスリフト手術は耳のすぐ前や後ろを切って髪で隠します。
 形成外科はケガをした方を縫合するので目立つ場所にキズができます。これを目立たないように縫うのは美容外科より難しい場合があります。一般的に、白人→黄色人種→黒人と肌の色が濃くなればなるほどキズが目立ちやすくなります。日本人でも色白の方がキズが目立ちません。
 手術後にタバコを吸うと皮膚血流が悪くなりキズが治りにくいためキズが目立ちやすくなります。治りが悪いとキズそのものが赤く盛り上がってしまう他に、PIHと呼ばれる炎症後色素沈着という状態になります。軟膏などで少しずつ治すことになります。
 どんなに丁寧に手術をしてもご自分でしっかりとキズの管理ができなければキズは目立ってしまいます。キズを目立たないようにするには術者の腕にも影響されますが、患者様自身の管理にもよります。医師の指示は守ってくださいね。

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ