医学講座
形成外科の進歩⑥【豊胸術】
遊離皮弁(ゆうりひべん)による、
乳房再建は飛躍的に進歩しました。
健康保険も使えるようになりました。
これからも進歩すると思います。
残念なことですが、
それに比べて…
豊胸術はまだまだです。
■ ■
30年前には、
現在と同じような、
シリコン製バッグがありました。
安全性が問題になり、
製造中止となった経緯があります。
その後、
生理食塩水を入れるバッグが普及しました。
■ ■
生理食塩水が漏れて…
バッグがぺしゃんこになる事故が、
少なからず起きるようになりました。
その後、再度、安全性の調査が行われ、
一度はシリコンバッグを禁止した、
米国FDAが、
メンター社とアラガン社が作ったシリコンプロテーゼを、
条件付きながら認可しました。
■ ■
残念なことですが、
厚生労働省に関しては…
日本は美容外科後進国です。
日本の厚生労働省が認可した、
美容外科用の豊胸用バッグはありません。
世間では一般的になっている、
コラーゲンやヒアルロン酸ですら、
日本国内で、
美容外科用に認可された製品はありません。
■ ■
世の中には、
女性同士ですら、
絶対胸を見られたくない!
…という平らな胸の女の人がいます。
美容外科の歴史を見ても、
胸を大きくしたい…
という希望を持っていたのに…
とんでもない結果になった人がたくさんいます。
■ ■
日本の厚生労働省は及び腰です。
私から見ると…
危ないものには手を出さない主義です。
日本では、
製造も販売も認可しない。
豊胸をやりたい人は、
医師が個人の責任で輸入して、
勝手にやってもらったら…?
…というふうにも感じます。
■ ■
豊胸用バッグは、
表面がざらざらした(テクスチャードタイプ)で、
シリコンが漏れ出しにくい、
コヒーシブタイプのシリコンバッグが主流です。
ただ、
今年の日本形成外科学会でも、
FDAから認可を受けたアラガン社の、
テクスチャードタイプのバッグで、
ダブルカプセルという、
副作用が出たという報告がありました。
■ ■
一部の医療機関で行われている、
自分の脂肪を注入する豊胸術や、
ヒアルロン酸による豊胸術も、
まだまだ100%完全とは言えません。
30年前と比べて、
良くはなっていますが…
まだまだ解決しなければならないのが、
豊胸術です。
■ ■
一つ言えることは、
30年前に豊胸術を受けた女性が、
全員不幸になってるのではありません。
世の中には、
平らだった胸を膨らませて、
副作用もなく、
幸せな人生を送っていらっしゃる女性も、
たくさんいらっしゃいます。
豊胸術ももっと進歩してほしいです。
“形成外科の進歩⑥【豊胸術】”へのコメント
コメントをどうぞ
豊胸とは関係ないのですが、私のように背骨が悪いと 左のウエストだけくびれていて右はくびれてません。当然 左右のバストも おかしな事になってます。 普段はわかりませんが、お風呂に入るとわかります。
形が違うと思ったら背骨の事もあります。
お題と違うCommentですみません。胸は大きくはないですが、豊胸したいと思った事は 中学の時くらいで(痩せていてえぐれというあだ名でした) 今は しわや しみ はり が 気になる歳になりました。
豊胸のことはよくわからないのですが、バックにも種類があるみたいですね。破裂の恐れ(もしそうなった時素材や成分が問題)が無いとは言えないと聞きます。
胸の大きさ、形に恵まれたほうですが、極端に小さ過ぎると悩む人もおられるのだと思います。
女性の考え方も様々で、大きくなりたい人(元による)もいれば、大き過ぎて(邪魔)困ってる人もおられるのでしょうか。