医学講座
第一回PRP研究会
平成21年11月15日(日)に
大阪で第一回PRP研究会がありました。
PRPとは…
多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)の略です。
自分の血液から、
血小板という成分を取り出して、
それをキズの治療に使うと、
キズの治りがよいことを利用した治療法です。
元々、歯科の先生が使っていました。
形成外科領域では、
4年前の日本美容外科学会で、
東京の久保田潤一郎先生がはじめられました。
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コラーゲンとかヒアルロン酸を注射して、
シワを取る治療があります。
PRPは自分の血液から取った成分なので、
コラーゲンやヒアルロン酸より安全で、
長持ちするというのが…
PRPの‘売り’です。
私も最初に発表を見た時に、
これはすごい!と思いました。
その後、チェーン店の美容外科でも、
大々的に宣伝するようになりました。
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自分の血を使うので…
‘原料’はタダなのですが…
血から血小板だけを取り出すキットが高く、
一回の治療が30万円もしていました。
30万円の割りに…
効果は…
期待したほど出ないこともありました。
評判を聞くと…
導入するのをためらってしまいました。
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今回の研究会は、
関西医科大学形成外科の楠本教授が開催されました。
形成外科医だけではなく、
歯科の先生もたくさんいらっしゃいました。
歯科の先生のご発表が参考になりました。
私の知識では…
ひどい虫歯は抜歯するしかないと思っていました。
最先端の歯科治療では、
昔は抜歯してしまった歯も…
抜かずに治してしまうそうです。
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歯槽骨(しそうこつ)という歯を支える骨があります。
虫歯が進むと…
この歯槽骨が融けてしまいます。
PRPを使って骨を治すと、
歯の土台となる骨を再生することができます。
骨を作ったところへ…
人工のインプラントを入れます。
こうすると…
自分の歯で噛むように…
食べ物を噛むことができます。
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美容外科領域の発表もありました。
京都の林先生や
東京の征矢野(そやの)先生
のご発表は、
まさに著効例でした。
その反面…
セルリバイブジータによって…
注入を受けた方が、
デコボコになった例も報告されていました。
正直なところ…
30万円もするのに…
副作用が出たら…
と思うと導入をためらいました。
もう少し研究を重ねる必要がありそうです。
函館でもインプラントの治療にと少し話題になっています。
美容形成のチラシにも大手は売りにしていますよね。
本格的に実用性が出来てくるまではまだ時間がかかるのかもしれませんが、とても画期的な発明だと思っていました。
研究会お疲れ様でした。
歯を抜かなくて済むなら いいですね。骨の再生も促すのですから他の分野でも応用できますね。
類天疱瘡(るいてんぽうそう)の方が毎日自分の血液の成分から取り出した目薬をさしていたのを思い出しました