医学講座
形成外科で多い手術①
皮膚にできた『できもの』
皮膚腫瘍の治療は、
皮膚科でも形成外科でもできます。
日本形成外科学会には、
皮膚腫瘍外科指導専門医制度があります。
私も皮膚腫瘍外科指導専門医です。
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形成外科というと…
傷をキレイにする手術が多い?
…と想像すると思います。
医学生や医療関係者、
形成外科専門医ですら…
形成外科で一番多い手術を案外知りません。
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日本形成外科学会へ提出される、
認定施設からの年次報告があります。
一番多いのが…
何と皮膚腫瘍の手術です。
手術件数を公開している医療機関もありますので、
興味がある方は
病院のHPなどを調べてみてください。
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こちらは市立札幌病院形成外科の、
平成23年の手術件数です。
合計1289件の手術が実施されています。
保険診療点数表のコード別に、
詳しく掲載されています。
一番多い手術が、
K005-1皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満)173件です。
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次に…
K001-1皮膚切開術(長径10㎝未満)124件。
K006-1皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝未満)116件と続きます。
皮膚(良性)腫瘍を取る手術が、
合計395件
皮膚悪性腫瘍の手術が50件
皮膚腫瘍関係の手術が全体の35%です。
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皮膚腫瘍の手術という、
2007年7月29日の院長日記に書きました。
一般の方は皮膚にデキモノができると皮膚科に行かれます。小さくて簡単に取れる腫瘍でしたら皮膚科でも十分に対応できます。皮膚科医にも上手な先生がいらっしゃいますし、形成外科で修行を積んだ先生もいらっしゃいます。
最初から形成外科にかかる方はマレです。形成外科医や形成外科学会の宣伝が足りないのかも知れません。
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料金は皮膚科で取っても形成外科で取っても同じです。形成外科で取ると高いイメージがありますが、自由診療の美容外科以外は料金は同じです。
形成外科で取ろうと思っても、形成外科は皮膚科ほど数が多くありません。形成外科がない医学部や医科大学があるくらいです。皮膚のデキモノですから、皮膚科や外科で取っていただいて構いません。
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私たち形成外科医は、他科より少しでもキレイにキズを少なく取るように努力します。
形成外科医が縫ってもキズは残ります。私たちは残るキズを少しでも目立たなくする努力をします。
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2012年6月29日から、
第28回日本皮膚悪性腫瘍学会が、
京王プラザホテル札幌で開催されます。
会長は北大形成外科の山本有平教授です。
皮膚悪性腫瘍医としての道程、
そして提言という基調講演があります。
私の恩師である吉田哲憲先生も講演されます。
多くの形成外科医に参加していただきたいです。
“形成外科で多い手術①”へのコメント
コメントをどうぞ
形成外科という科を知ったのは 本間先生とお知り会いになってからで、blogで知りました。 まだまだ 形成外科を知らない方もいるので 多くの方に知ってもらいたいです。
皮膚の悪性腫瘍は たかがいぼと思わずに 大きくなったとか 変化があれば 診ていただいた方がいいですね。
私も顔にデキモノが出来てしまい、
この2年で徐々に大きくなりました。
隣町の総合病院の形成外科2件に電話しましたが、
対応が悪くて、がっかり。
あー札幌と違って、ここは言葉が荒くて、きつく感じます。
主人に愚痴を言うと、
「俺が言ってやるぅ!」と憤慨してましたが
かかるかもしれないので、クレームは入れたくありません。
ですが、傷痕は少しでも綺麗にして欲しいので、
形成外科にすがるしかないでしょうね。
どっちを選ぶべきか、悩んでいます。
あー本間先生にお願いしたいですが、
うどん県では遠すぎます(涙)