医学講座
粉瘤(ふんりゅう)の手術2013③
粉瘤の手術2013のつづきです。
粉瘤(ふんりゅう)は誰にでもできます。
原因もはっきりしません。
日本形成外科学会HPには…
発生の原因は、判らない場合が多いのですが
打撲や外傷などの後に起こることや
ニキビ痕にできることもあります。
皮膚の上皮成分(表皮や外毛根鞘)
が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、
その中に粥状をした垢や脂が貯まってできた固まりです。
…と書かれています。
■ ■
釘(くぎ)を踏んだ後で足底にできた…
ビキニラインの毛を抜いていた…
脇毛を抜いていた…
…という原因がはっきりしていることもあります。
ただ…
釘を踏んでもできないことが多いですし…
毛を抜いてもできないこともあります。
■ ■
粉瘤は他の皮膚腫瘍と違います。
袋の中にたまった垢(あか)です。
袋は薄く破れやすいです。
破るとくさい垢が出ます。
ですから…
袋を破らないように…
少し大きく切って…
くさい垢が出ないように手術をします。
これがふつうのやり方です。
■ ■
傷あとを少なくするために…
私はあえてくさいやり方をしています。
どんなくさいやり方かというと…
切開はなるべく小さくして…
袋の周りを丁寧に剥離します。
これが難しいです。
感染しているとできないことがあります。
ある程度剥離したら…
袋から垢をしぼりだします。
ちょうど生クリームをしぼるようにぎゅ~っと押し出します。
■ ■
そうすると…
垢のにおいがすごいですが…
小さな傷で大きな粉瘤を摘出できます。
垢をしぼり出した後は…
袋の取り残しがないように丁寧に確認します。
感染している時は…
垢と膿と血が出ることもあります。
一度の手術で取れないこともありますが…
こうすると傷を小さくすることができます。
顔や首など目立つ部位にできた粉瘤におすすめします。
形成外科の先生に相談してください。