昔の記憶

マイクロサージャリー

 私たち形成外科医は、
 細かい作業をします。
 切断された指をつなぐには、
 髪の毛よりも細い糸で、
 血管や神経を縫います。
 この手術を…
 マイクロサージャリーと呼びます。
 山形大学整形外科の荻野利彦先生のように、
 手の外科を専門とする整形外科の先生も、
 マイクロサージャリーがお得意です。
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 マイクロサージャリーには、
 手術用顕微鏡(しゅじゅつようけんびきょう)が必要です。
 学校の理科室にあるような顕微鏡ではなく、
 私の背丈よりも高いような、
 大きな設備です。
 この顕微鏡…
 お高いのです。
 世界的に高性能の顕微鏡は、
 ドイツ製と言われています。
 カールツァイスや
 ライカという会社が有名です。
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 顕微鏡を使って手術をするのは、
 形成外科や整形外科の他に
 眼科
 脳神経外科
 耳鼻咽喉科
 があります。
 最初に使ったのは耳鼻科の先生だそうです。
 最近では、
 歯科や
 産婦人科でも
 手術用顕微鏡を使って
 手術をするところがあります。
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 形成外科医が
 マイクロサージャリーを使うのは、
 組織移植という分野です。
 事故やガンなどで、
 組織が大きく欠損した時に
 身体の他部位から、
 組織を移植します。
 血流がないと組織は死んでしまいます。
 そのために、
 血管を吻合(ふんごう)します。
 この血管が細いのです。
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 現在、日本の形成外科で、
 各大学の教授に就任されている先生は、
 このマイクロサージャリーがお得意で、
 たくさん英文論文を書いた方が多いです。
 ちょうど私が形成外科医として活躍した、
 今から20~25年前頃から、
 この手術が盛んになってきました。
 優秀な形成外科医になるためには、
 マイクロが必須科目になりました。
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 私は日本マイクロサージャリー学会の講習会に参加したり、
 北大に通ってマイクロの練習をしました
 手術用顕微鏡で拡大すると…
 信じられないほど良く見えます。
 今では、すいすい手術ができますが…
 最初は、
 拡大されているために…
 どこを見ているのかわからず…
 自分の指先を確認するのも大変でした。
 高価なマイクロ用の糸を、
 からませては…
 何本もダメにしてしまいました。
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 30歳台で習得した…
 マイクロの技術は、
 55歳のおっさんになっても役立っています。
 手術用顕微鏡があれば…
 若い人以上によく見えます。
 長年の経験が役に立ち、
 若い人に見えない、
 埋没法の糸も見つけられます。
 美容外科で、
 マイクロが役立つとは考えていませんでしたが、
 おじさん先生の強力な武器となり、
 腫れが少ない手術に役立っています。

“マイクロサージャリー”へのコメント

  1. 函館の看護師 より:

    ライカっていうメーカーはカメラで有名なライカ社なんでしょうかね???

    実習でマイクロサージャリーのオペで「みてごらん」と見せてもらったことがありますが、かなりの集中力と経験が必要ですよね。
    自分の目で拡大されている映像と実際に動かす手の感覚、簡単ではないですもんね。

  2. さくらんぼ より:

    先日の整形外科の講演会でもマイクロサージャリーと言う言葉が出てきたかと思います。膝と腰の手術のスライドが出てきました。
    細部の神経組織などでは必須なのだそうです。本間先生は マイクロがお得意なのですから 瞼などの細部もとてもきれいに仕上げられれのだと思います。明日からラ・フランスの収穫ですが、台風 それてくれればよいのですが、だいぶ前の台風19号の時は100コンテナ以上落下した事もありましたが・・ 今日はN県に配達を終え 家の近くを走っていると 息子から電話が、、車が壊れ病院に行く途中動かなくなったとの事、おかげでその後代車届けやらで二回もY市まで往復するはめになり、疲れて 初めて携帯の文字が眼鏡をかけても かすんで打てず 年を感じました。

  3. 恵理 より:

    本間先生の手術は本当に腫れが少ないですよね!
    本間先生以外にやってもらったことはありませんが(笑)

    先生ガンバです!

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