医療問題
勤務医の待遇
昨日の日記に、
看護師さんからコメントをいただきました。
私は看護師ですが昨年と比較して年収が50万円以上下がりました.
しかし,近年の世相により医師の待遇改善のため同じ病院の初期研修医の給料は勤続20年以上の私より4月から上がることとなるそうです.私の勤務する病院では能力給ではありませんので,一律の報酬です.
確かに勤務医の労働条件は改善していかなくては,疲弊していきます.
でも,医療の世界で医師だけがそうなのでしょうか?
ほかの職種の犠牲のもとに改善していくのでは,ひずみが生じるのは目に見えています.
医療の世界では経済的なことを声高に言うのは,なんだか下品なことと捉えられるのか,周りは何も言いません.同じ年代の(他の職業の)人よりも収入はいいのだから,多少年収が下がっても,そんなことは言うなともいわれました.
私は自分の仕事に誇りを持っています.経済的な問題だけではもちろんありませんが,職種によって評価が下がるのは,納得しかねます.
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医師の給与という日記に書いてあります。
私が研修医になった昭和55年(1980年)、研修医の給料が一番安かったのが、なんと慶応病院でした。
慶応義塾大学病院の研修医の月給が約3万円。北大病院の研修医が約10万円でした。慶応病院はお給料が安くてもたくさんの研修医が集まるため高くする必要がなかったのだと思います。
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看護師さんのコメントにもあるように、
ふつうの病院では、
能力給ではなく,一律の報酬です
つまり…
お医者さんは…
医師職俸給表(ほうきゅうひょう)
看護師さんは…
看護職俸給表という‘表’によって…
免許取得後の経験年数で、
○号捧○等級…
という‘給与’が決まります。
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どんなに忙しくて…
重患がたくさんいる病棟も…
軽症患者しかいない病棟も…
看護職の‘給料’は同じです。
違うのは…
超過勤務手当(超金:ちょうきん)とか
危険手当(放射線を浴びるとか)の手当です。
大きく年収の差が出ることはありません。
■ ■
医師職も同じです。
昼休みに…
医局のソファーで…
‘お昼寝’ができる先生も、
当直明けでも…
処置をしたり…
家族に説明をしたり…
警察の問い合わせに答えたり…
解剖に立ち会ったり…
忙しくしている先生も‘給与’は同じです。
■ ■
国の医療費抑制政策のために…
医療機関の経営は瀕死状態です。
たくさんの民間病院が倒産しています。
病院が儲かった時代は…
遠い過去のものになっています。
海外で病院にかかると…
日本の医療制度が…
いかに素晴らしいかよくわかります。
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勤続20年以上の看護師さんは…
免許取立ての研修医より仕事ができます。
医療のことについても…
よく知っていらっしゃいます。
お怒りもごもっともです。
コメントをいただいた病院の経営者は、
(経営者=院長とは限りません)
他の臨床研修病院と比較して…
初期研修医の給料を上げたと考えます。
給与や待遇をよくしないと…
臨床研修医が集まらないからです。
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院長や部長クラスの給与は、
ご存知ないでしょうが…
私と同年代の‘先生’は…
位(くらい)が上がるほど…
近年は給与が下がっています。
この20年間で…
一番職位が上がったのが看護職です。
市立札幌病院では…
看護のトップが係長職から
課長職→部長職→理事(副院長)と…
あっという間に昇進しました。
時代の流れだと思います。
看護職は評価されていると思います。
“勤務医の待遇”へのコメント
コメントをどうぞ
研修医がそんなに給料が低かったと知ったのは先生のblogでした。
看護師さんには本当に頭が下がる思いです。 でも今は大学就職内定率も氷河期以下になりどこの民間会社も大変です。もう少し 政府の改革に期待していたのですが、、、
大変でしょうが、じっくり患者の声を聞き、わかりやすく、優しく説明してくださる医師、看護師さんが増えてくださる事を一患者としておねがいします。
昨日と今日のブログを読んで、久々にコメントいたします。
先生のおっしゃる通りここ10年くらいの間に看護職の職位は画期的に評価をされていると思います。
実際に看護師が医師と同等に同じ研究の場で学び、情報を交換する機会も増え、ますます看護師の学ぶ機会も増え、なお一層仕事は楽しくなりました。
ですが、やはり地方の病院(公立・民間)では医師の獲得のために、看護師の給与をカットしてその分を研修医や医師の確保に必死です。
診療報酬の改定などで総合病院(急性期)などは看護師を週に一度のパートでもよいからと看護師の確保にも躍起になっているのも事実ですが、大きな急性期病院だけは給料も上がっているように感じますが、小さな総合病院(民間)や個人の病院ではここ10年看護師の給料は下がっているのも事実です。
昨日の看護師さんのコメントにもあったように、看護師の年収は事実下がり続けています。
医師の確保ももちろん必須ですが、その医師を支えているスタッフの待遇も国はもう少し考えていただきたいと思います。
ちなみに今年の新卒のナースは大都市の条件を整えたところを選び、地方医療は医師不足だけでなくスタッフの人材確保自体が難しくなっているのも地方医療の現実です。