医療問題

グループホーム火災で7人死亡

 昨日(平成22年3月13日)朝の火災でした。
 朝、札幌駅で読売新聞の号外が配られていました。
 読売新聞の記事です。
 札幌の老人介護施設で火災、7人死亡
 3月13日午前2時25分頃、札幌市北区屯田4の2、グループホーム「みらいとんでん」から出火、木造2階建て延べ約250平方メートルをほぼ全焼し、入居者8人のうち、焼け跡から男性3人と女性4人の計7人が遺体で見つかった。
 女性職員(24)がのどに重いやけどを負った。1階居間の灯油ストーブ付近が激しく焼けており、119番した女性職員が「ストーブから出火した」と話していることなどから、札幌北署はストーブが火元になった可能性があるとみている。施設入所者の多くは体が不自由で自力での避難が困難だったことから、同署は業務上過失致死容疑を視野に施設の安全管理体制についても調べる。
 同署や札幌市によると、「みらいとんでん」は福祉施設運営会社「みらい25」(札幌市中央区、谷口道徳代表取締役)が経営する定員9人の認知症対応型施設。施設管理者はケアマネジャーの笠井雅子さん(58)。
 施設関係者などによると、現在は60~90歳代の高齢者9人が入居。入居者は中程度から重度(要介護度3~5)の認定を受けており、介助がないと自分では歩けない人もいる。出火時は女性入居者1人が外泊中で、室内にいたのは入居者8人と女性職員1人の計9人だった。病院に搬送された女性入居者(83)にけがはなかった。
 焼け跡では、火元の可能性がある1階居間付近の台所などに2人が倒れていたほか、個室で3人が発見された。残る2人は、2階の個室で見つかった。同署が身元を確認している。
 札幌市によると、この施設は2005年12月に介護保険法に基づく介護事業所として指定を受けた。職員数は常勤5人を含む計13人。2008年7月に同市が行った立ち入り調査で、災害時の避難誘導方法などを確認するために施設運営規則で定めた年2回の避難訓練を実施していなかったことが判明。市から改善命令を受け、同年9月に訓練を実施したという。
 また、避難方法などを定めた消防計画を市に提出せず、2009年5月に市から指導を受けたが、その後も提出していなかった。消火用スプリンクラーは取り付けられていなかったが、法律上の設置義務はないという。
 現場はJR札幌駅から北に7キロ離れた住宅街。消火作業で消防車27台が出動し、約1時間半後に鎮火した。
 ◆グループホーム…高齢者や障害者などがスタッフから介護や支援を受けながら少人数で共同生活する施設。認知症の高齢者向け施設は、介護保険法で「認知症対応型共同生活介護事業所」と規定されている。厚生労働省によると、全国で9966か所(2009年12月現在)あり、計約14万3000人が利用している。居間や食堂、台所、浴室などを備え、居室は個室になっている。家庭的な雰囲気の中で個別のケアを受けることができ、認知症の進行を緩やかにする効果があるとされる。
 (以上、読売新聞から引用)
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 亡くなられた7人の方の…
 ご冥福をお祈りいたします。
 とても悲惨な事故です。
 報道によると…
 小さな犬が飼われていたそうです。
 犬の消息までは報道されていませんでした。
 犬も亡くなったのでしょうか…?
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 一般的なことですが、
 認知症のお年寄り7人を、
 一人の夜勤者で連れ出すことは…
 火災でなくても不可能です。
 もし同じような災害が、
 大病院で起こったとしても救出できたでしょうか?
 数人の夜勤のナースで、
 数十人の入院患者を救出するのは困難です。
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 火災によるけがやけどです。
 私たちは熱傷(ねっしょう)と呼んでいます。
 高齢者の熱傷は…
 救命することが難しいです。
 もし…
 7人のお年寄りが…
 重症熱傷となったら…
 札幌市の救命救急センターだけでは足りません。
      ■         ■
 札幌医科大学高度救命救急センターが、
 熱傷患者の搬入を受け入れていません。
 2010年3月14日現在、
 札幌市内で、
 重症熱傷の治療が可能なのは、
 市立札幌病院と北大病院だけです。
 他には2施設くらいありますが、
 受け入れてくれるかどうか…?
 私にはわかりません。
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 今回の事故のように…
 一度に多くの方が犠牲となる事故は、
 ある程度の確率で起こります。
 航空機事故の炎上→火災。
 大型バスの事故炎上→火災。
 大規模な地震による火災。
 工場などの火災。
 昔は炭鉱事故による熱傷がありました。
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 万一のために…
 消防車や救急車を配備するのは、
 行政の仕事です。
 万一のために…
 救命救急センターを整備するのも…
 行政の重要な仕事です。
 今回の事故では、
 消防設備についての報道が多いようですが、
 重症熱傷は意外と身近に起こります。
 北海道の高橋はるみ知事には、
 ぜひ札幌医大高度救命救急センターのことを…
 善処していただきたいと思います。


 炎に包まれた老人介護施設
 (3月13日午前3時4分)=田村充撮影
 (以上、読売新聞より引用)

“グループホーム火災で7人死亡”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    亡くなられた7名の方々のご冥福をを心からお祈りしていたします。
    ニュースで札幌の火事と報道され 先生のお近くではと 心配いたしました。
    親戚の叔母や近所の方でもグループホームや 小規模の通所施設にお世話になっています。大きい所は 空き待ち状態の所も多く中々入所できなかったり家族の負担も大きくなっているので家庭的な小規模施設に入れておられる方も多いです。そういった施設が増えてくる半面 正職員は最小限にしてパートや派遣などで補っているので 火事などの対処など しっかりした教育がどうなっているのか不透明です。
    息子の病院は正看護師・准看護師・介護福祉士・看護助手が○階○病棟を早番・日勤・遅番・超遅番・準夜勤・夜勤とローテーションを組んでしているようですが夜勤は40人くらいの患者を少人数で診るため 寝たきりの方が多く ご飯を食べるひまもないくらい忙しいそうです。そんな中で火事が起きたら患者を助け出す事は無理だと思います。看護師不足のために日勤だけ・夜勤だけ・パート、土日休みの看護師さんも多いそうです。
    高齢化社会になり誰もが直面する問題です。
    もう少し 政府にも考えてもらいたいです。
    私からも 高橋はるみ知事にもう一度今回の火事の重大性を考えていただき、札幌医大高度救命救急センターで熱傷治療を再開していただきたく 一日本国民としてお願いします。

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