医学講座

傷の経過

 昨日の院長日記、
 修正手術の時期②に、
 まみ子師長さんから、
 まさに今私が看護学校で教えているところです
 …とコメントをいただきました。
 看護学校で瘢痕のことまで教えるのは…
 かなり程度が高いと思います。
      ■         ■
 傷がどうやって治って…
 どのように変化するのか…
 実は、
 簡単なようで…
 難しい問題です。
 傷の赤味や、
 色素沈着も個人差が大きいです。
      ■         ■
 同じように手術をしても…
 残念なことですが…
 個人差があります
 個人差の原因はわかっていません。
 個人差を治す薬もありません。
 形成外科医はキズを治すプロです
 …なんて偉そうなことを言っても…
 申し訳ございませんということもあります。
      ■         ■
 私たちができることは、
 できる限りキズを丁寧に縫う。
 手術後のケアーをしっかりする。
 それでも目立つキズには、
 お薬で治療をする。
 …この程度のことです。
 まだまだ…
 …わからないことがたくさんあります。
      ■         ■
 私の目のキズはきれいに見えますが…
 手術から半年経っても…
 お風呂上りには赤くなりました
 奥さんが…
 まだ赤いから
 やっぱり手術したんだ
 …と言っていました。
      ■         ■
 触れば少し違和感もありましたし、
 強く目をこするなんてことは…
 絶対にできませんでした
 これがキズの経過というものです。
 形成外科医は、
 瘢痕(はんこん)との闘いです。
      ■         ■
 同じように手術をしても、
 キズが目立つ人がいます。
 一番厄介なのが、
 思春期の子供さんです。
 一番きれいに治してあげたいのに…
 キズが目立ちやすいです。
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 部位による差もあります。
 ケロイドの好発部位といわれる、
 胸の谷間、
 お臍の下など、
 どんなに丁寧に手術をしても、
 キズが目立ちます。
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 手術後の傷が目立つ人は、
 お薬を塗ったり、
 圧迫をしたり、
 テープを貼ったりして、
 時間をかけて治しています。
 形成外科には忍耐も必要です。
 傷の経過には時間がかかります。

“傷の経過”へのコメント

  1. まみ子 より:

    瘢痕の治療でステロイドの注射液とキシロカインを混合して、直接注射した記憶がありますが、今はほとんど行なわれていないのでしょうか?

    当院でもいつのまにか止めてしまった感じです。

    明日の講義は「細菌感染症とウィルス性疾患について」です。「皮膚の病的変化について」は終了しました。明日も学生さん達は居眠りしませんように・・・。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございました。ケナコルトAですね。当院では使用しています。美容外科でも使っていると思います。数年前にメーカーが自己回収して使えなくなりましたが、その後、また販売されています。

  2. 元函館の看護師 より:

    先生に質問です。
    ケロイドになりやすい方をよくケロイド体質と
    言ったりしますが、ケロイドになりやすいかは?
    切って見ないとわからないものなのでしょうか?
    なんかくだらない質問ですみません。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    ケロイドには家族歴がある人が多いです。ご両親や兄弟にケロイドがあると、なりやすいです。
    本人が予防接種を受けた部位とか、ピアスの痕がケロイドになっていればケロイド体質と判断します。
    ただ、一般の方がケロイドと言われる大部分はケロイドではなく、肥厚性瘢痕のことが多いです。

  3. みき より:

    こんばんは
    私は現在歯科衛生士の専門学校に通っていますが、病理学で瘢痕についての講義を受けました。歯科と形成外科の違いはありますが、本間先生のお話はとても興味深く、いつも楽しみにさせていただいています。

  4. すずこ より:

    はじめまして。
    いつも本間先生のブログ、興味深く拝見しています。
    書き込みは初めてなんですが・・・
    私は現在27歳ですが、13歳の時に接種したBCGの痕が今も赤くいびつにぼこぼこと腫れあがって残っており、かゆみもずっと継続しています。
    私はケロイド体質なんでしょうか?
    どんなときに、このような状態になってしまうのでしょうか。
    まだ未婚ですが、もし将来妊娠して帝王切開になった時に傷跡がこんな風になってしまうのかと思うと不安です(泣)
    今後、もし手術等を受けることになったらお医者さんに特に注意してもらうことなどありましたら、アドバイス頂きたいのですが・・・

    初めての書き込みで、質問ばかりで申し訳ありませんでした(><)

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    文面からケロイド体質だと思います。将来、帝王切開を受けることになりましたら、形成外科がある病院で手術を受け、手術前から形成外科の先生と産科の先生に診ていただいてください。
    帝王切開はできれば、縦ではなく横に切っていただき、縫合は形成外科医にしていただくのが理想です。
    手術後も切開創にテープを貼り、軽く圧迫して、創に緊張がかからないようにすると良いです。圧迫は腹巻程度でもゆるいガードルでも状態に合わせて24時間続けてください。
    腕のBCGの痕も皮膚科や形成外科で治療をしてください。

  5. すずこ より:

    本間先生 お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。
    相談のご回答、有り難うございました。
    BCGの痕も治療をすれば今よりよくなるんですね!
    私の地元は田舎で、地元の病院では治らないと言われていたのでびっくりです><
    違う病院を探してみます。
    これからもブログ楽しみにしています!

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