医学講座
第19回日本熱傷学会北海道地方会②
重症の熱傷患者を救命し、
社会復帰させるのは大変なことです。
医学が進歩した現在でも…
全国の限られた施設でしかできません。
治療費も莫大にかかります。
■ ■
旭川市には…
ドクターヘリもある、
旭川赤十字病院があります。
救命救急センターも、
形成外科もあります。
立派な病院です。
■ ■
旭川市消防本部は、
旭川日赤病院が…
重症熱傷治療に
最適だとよくご存知です。
ところが…
救命救急センターが満床でした。
ベッドがないのに引き受けられません。
■ ■
火災現場に到着した救急隊は患者さんの処置をし…
消防本部の通信司令室が…
懸命に引き受けてくれる病院を探します。
患者さんの側としては…
せっかく救急車が来てくれたのに…
なかなか出発しないのであせります。
現場での24分はとても長かったと思います。
■ ■
旭川医大救命救急センターへ搬送先が決まり、
救急車は赤色灯を点滅して…
大急ぎで医大へ向いました。
患者さんは高齢の方でした。
年齢が高いというだけで、
重症熱傷の救命率が下がります。
旭川医大救急の優秀な先生が救命してくれました。
■ ■
問題はやけどの部位が、
顔面、首、両手という…
治療がとても難しい部位で、
火災のため熱傷深度が深かったことです。
救命しても、
大きな障害が残りやすい部位です。
高度の形成外科的手術が必要です。
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残念なことに…旭川医大には、
熱傷専門医も形成外科専門医もいません。
旭川医大救命救急センターと
旭川赤十字病院が協力して…
受傷翌日に
患者さんは旭川赤十字病院へ転院となりました。
■ ■
旭川赤十字病院には、
阿部清秀先生の弟子である、
丹代功先生がいらっしゃいます。
形成外科専門医で熱傷専門医です。
寡黙ですが…
とても優秀な先生です。
(笑うと笑顔が優しい先生です)
■ ■
丹代先生と阿部先生が、
長時間の手術をしてくださり、
治療がとても困難な…
顔面と首のⅢ度熱傷を…
みごとに治してくださいました。
すばらしい結果だと思いました。
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私は…
旭川市消防本部南消防署東旭川出張所の、
黒田数道様のご発表で、
火災現場の写真を見たとき…
自分の親ならだめだと諦めたと思いました。
それほどの熱傷でした。
旭川市の緊急通報システムと、
医療機関の協力と、
優秀な丹代功先生のおかげで、
高齢の重症熱傷患者さんが救命されました。
とても感動した発表でした。
“第19回日本熱傷学会北海道地方会②”へのコメント
コメントをどうぞ
私たちが昨年伺った旭川市にはとても素晴らしいネットワークがあるのですね。山形では そのような熱傷は助からないと思います
地方会ご出席お疲れさでした。
消防の方のご発表は、普段は決して見る事が出来ない火災現場の生々しい写真を拝見出来るので勉強になります。
連携の大切さを痛感致しました。