医学講座
ドルミカムと静脈麻酔
集団的個別指導2015
2015年12月17日水曜日に行われた、
厚生労働省北海道厚生局の指導です。
この会で、
厚生労働省北海道厚生局医療課、
指導医療官の佐野先生に教えていただいたことです。
佐野先生は元外科の臨床医だったそうです。
■ ■
今までの集団的個別指導とは違って、
佐野先生は具体的な事例を的確に説明してくださいました。
最初の医療監視指導官は、
発表の最中、
一度もこちらを見ることもなく、
ただひたすら原稿を読んでいました。
これでは聴衆の反応は見えないですし、
自分が伝えたいことが正確に伝わったかどうかもわかりません。
■ ■
最近は、
運転免許更新時教習ですら、
いかに交通事故を減らして、
安全運転を普及させようか?
…という熱意が伝わってきます。
はっきり言って、
警察も変わりました。
最近の更新時教習は居眠りが少ないです。
■ ■
運転免許の講習と比較するのも酷ですが、
厚生労働省のお役人はまだまだダメです。
半数以上が聞いてなくても、
集団的指導をしたという事実だけが必要と感じられます。
われわれ聴衆にとっては、
その話しは前にも聞いたょ。
そんなの知ってるょ。
そんな指導が大部分です。
■ ■
佐野指導医療官のすごいところは、
学会発表のように、
聴衆のほうを向いて、
原稿には時々目をやる程度で、
最初から最後まで、
わかりやすい口調で、
おだやかに話されたことです。
■ ■
私が一番勉強になったのが、
ドルミカムという薬を、
静脈麻酔に使っても、
【静脈麻酔】が算定できないということです。
専門的なことになりますが、
薬には【効能・効果】という決まりがあります。
国が決めた使い方をしないと、
保険請求はできません。
■ ■
ドルミカムは、
ミダゾラムという成分の注射液です。
【効能・効果】
麻酔前投薬、
全身麻酔の導入及び維持、
集中治療の人工呼吸中の鎮静、
歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静
つまり鎮静に使うことはできても、
静脈麻酔薬ではないので、
静脈麻酔は算定できないのです。
■ ■
今までの指導医療官とは違って、
佐野先生の指導は、
こちらが、
う~ん、なるほど
それ、知らなかった。
…と思わずつぶやきたくなる指導でした。
他にもたくさん教えていただきました。
佐野先生ありがとうございました。
“ドルミカムと静脈麻酔”へのコメント
コメントをどうぞ
ドリカム♪は知っていましたが、ドルミカムは初めてききました。それを麻酔として使った場合、保険請求できないということは、実費負担になるのですか?それとも 病院側が損をするのですか? お役所の仕事はほんとに庶民の事を考えてませんよね。老人クラブに役場から助成金が出るのでお役所が決めた自殺防止の話しを聞きたくもないのに聞かされたり、何か行事を作って一般の人を集める。自分たちは給料をもらっているが一般人は休んでいかねばならなかったり。。 先生が壇上に上がって怒鳴ったのは私と知り合ってからですか?その日のブログはどんなんだったでしょう? なんか気になります。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私が怒ったことは日記には書いてないと思います。あまり気分のいい話しではないですし一般の方には関係ないことですから。ドルミカムという薬はいい薬です。佐野先生の指導のいいところは、薬のいいところはいいと話してくださったことです。この薬の薬事承認を取る時に静脈麻酔の承認を取っていないのです。ですから静脈麻酔料という麻酔手技料が算定できないということです。ちょっと難しいのですが、鎮静薬と静脈麻酔薬が違うということです。どんなに立派な道路でも40㎞/h制限のとこで80㎞/hを出すと捕まるのと同じです。保険診療で実費負担はできません。薬剤料だけの請求だとできると思います。そんな保険のシステムをわかりやすく説明してくださったのが佐野先生です。いい先生だと思いました。
算定出来ない場合
使用せず
他の薬を使用するのですか?
赤字覚悟で使う病院などないのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。ドルミカムを使うのは内視鏡の検査で不安が強い時などです。患者さんが不安でおびえている時に使うクリニックがあります。その時にドルミカムの薬剤料だけではなく静脈麻酔料という麻酔手技料を請求することができないのです。麻酔手技料なしで、不安の鎮静を目的に鎮静剤として使用するのはOKです。この薬を使っても【静脈麻酔料】を請求しなければ査定されることはないと思います。
ドルミカムが静脈麻酔料として算定出来ないのは初耳です。
鎮静剤として請求するのだと、点数は低いのですか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
鎮静目的に使用しても静脈麻酔料は算定できず点数が低いです。