医学講座
たて結びと男結び
今日は2021年12月15日(水)です。
札幌は雪がない師走に戻りました。
路面は凍結していません。
スキー場には申し訳ございませんが、
凍結していないとありがたいです。
あと何日雪がないのかわかりませんが、
雪がない12月はいいです。
■ ■
昨日の院長日記、
左前と死に装束
…の続きです。
研修医の時に恥ずかしい思いをしました。
『先生、それたて結び!』
私はたて結びを知らなかったばかりか?
なぜダメなのかも知りませんでした。
同じような研修医や医学生も多いと思います。
■ ■
ウィキペディアWikipedia
…で調べてみました。
縦結びGranny knotとは、
ロープや紐の端と端をつなげる結び方のひとつ。
女結びともいう。
男結びと女結びは、
研修医になりたての頃に教えられました。
■ ■
ウィキペディアWikipediaには結び目による分類がありました。
男結び(Square knot)
第一結紮と第二結紮を反対方向に行う。
結び目がほどけにくく、止血や重要な部位の結紮に用いられる。最も頻繁に用いられる結紮法。
女結び(Granny knot)
第一結紮と第二結紮を同じ方向に行う。
素早く結べるがほどけやすい欠点がある。
但し結んだ後にさらに締め付けることができるため、状況によっては役に立つ結紮法。この場合3度目の結紮を加える必要がある。
外科結び(Surgeon’s knot)
男結びの第一結紮の時に糸を2回絡ませる。
第一結紮が締まりにくいことがあり注意を要するが、
第一結紮の糸の摩擦抵抗が大きいため、
第二結紮を行う時に第一結紮がゆるまない利点がある(糸をロックする必要がない)。
結び目が大きくなる点は通常の男結びより不利である。
強い緊張のかかる組織の縫合などに用いる。
■ ■
医学部では外科で縫合法を習います。
札幌医大では、
第一外科の先生が教えてくださいました。
研修医になってから、
手術室で余った糸をもらってきて、
医局の机などで手を動かして、
何度も結んだ記憶があります。
■ ■
形成外科はナイロン糸で、
持針器を使って縫合をします。
縫い方の練習は、
他の科と少し違います。
持針器を使って縫合する時も、
結び目は男結びか、
外科結びにすることが多いです。
■ ■
葬儀のサイトに書いてあったことです。
縦結び
故人の衣装を結ぶ際、
通常の蝶結びではなく、
縦に結ぶことです。
縦結びは、
結んだ紐の輪や紐の先が根元の紐と垂直になるように結びます。
…のようにするそうです。
“たて結びと男結び”へのコメント
コメントをどうぞ
縦結びは縁起が悪いと教わりましたが
男結び、女結びがあるとは
知りませんでした。
意識して縦結びにしたのは
父が亡くなった時でした。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私たち外科医は通常、男結びです。外科結びにすることもあります。亡くなった時は結び目が縦になるようにするのだと思います。葬儀の作法も難しいです。
男結び、女結び、外科結び、
いろいろな名称の
結び方があるのですね。知りませんでした。
形成外科の縫い方の練習は他の科と違う
ことも初耳です。
スニーカーの紐も何も気にしないで
結んでいるので勉強になりました。
お医者さまの縫合の技術は練習と
経験で上達していくのでしょうね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。形成外科では皮下縫合はゆるまないようにしっかりときつく結びます。外科結びや男結びです。患者さんが見る縫い目はナイロン糸できつくならないように縫います。結び目は男結びです。靴のひもは気にしないで結んでいます。
今は死装束も葬儀屋さんか、送り人の方が着せてくれるので自分はよくわかりません。
エプロンをしていますがよく縦結びなので直しなさいと言われます。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。エプロンの結び目はうしろなので見えないから大変ですね。葬儀屋さんが着せてくれますね。父親の時は誰が着せたのか忘れてしまいました。